地上を渡る声
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地上を渡る声 / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
題名が印象的。別の世界ではなく、ここ(=地上)に満ちている声に耳を澄ませようとしている詩人の態度に共感する。詩のテーマもポケットや窓といった日常的なものが多い。それでも散文ではないので、急にイメージが変化したり、死が顔を覗かせたり、別の世界にふらっと足を延ばすこともある。5の毛糸の詩のように、身近かなことを描きながら、それが徐々に詩の言葉に変わっていくのを読むのは、スリリングな体験だった。この世にきちんと足をつけながら、散文的な日常を詩の世界に変えていくところに、小池さんの真骨頂がある。
2016/11/19
mm
SF祭りで、カロリー消費した故、少し甘いものを食べるとしたら、これかしら⁇と思い選択。中にちゃんとチョコレートを食べる話があったよ。それ以外は、私の勘は外れで、このエッセイ小説風味の詩集は甘くなかった。タイトルは無くて34番までの番号が付されている。28.電車を乗り越す。乗り越した私は、乗り越さなかった私に追いつく事はない。物事は元に戻る事はない。16.空間もそれ自体で生きている。13.高いところから滑り降りる時、途中一箇所自分を見失う所があるので気をつけて。19.わたしとわたしの間を行き来するわたし。
2020/08/13
みねたか
1から34まで、小説の章立てのように、番号が付された詩集。連作のようなものもあるし、そうでないものも。 全体に、空間、時間、夢と現実、日常と非日常など、様々な境界を超えること、意図的に、又は図らずも、不意になど様々な越境と、それによる主体の変化が語られる。「日常は膿み、微熱を帯びるもの。旅はそれを覚ますもの。旅は覚醒。夢を見るなら日常を失ってはいけない」。越境を重ねるたびに、人は「心になんのよどみも持たず、ひたすら澄みきつて」濾過されていくのか。 また鷲づかみにされてしまった。
2016/07/17
Roy
★★★★★ 色褪せた、どこか懐かしさを感じる詩集でした。テーマはやっぱり死とか、喪失であったりとかするのだけれども、例えるならば遺影の懐かしさ。微笑みを浮かべた故人が、まだ生命のリズムを刻んでいる頃に撮った遺影に見る懐かしさに似ているのだろうと思いました。大好きです。
2009/02/19
袖崎いたる
吉増剛造を読んだあとだとこっち系…つまり詩的なものへと出発するスタンスは冗長に感じられてしまうのがおかしい。いや、ダメなわけやないで? ゆーてエッセイ感強いよな。終盤にある針を刺す少女の情景よかった。
2021/06/30
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- 出版社
- 光村図書出版
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383