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びあんか/うたうら

びあんか/うたうら

びあんか/うたうら

作家
水原紫苑
出版社
深夜叢書社
発売日
2014-12-01
ISBN
9784880324173
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びあんか/うたうら / 感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

「びあんか」を一読。一読で何かを言える作品ではありませんがあえてここは筆をとります。短歌で幻想を現すことができるとは思っていませんでしたのでそこがまず、大きな驚きです。また折口信夫(釈迢空)への思いを隠さない歌人ですが、その折口のことを歌うことも霞がかったような朧な感じがしてなりません。古語辞典や辞書を片手にての読書となりますが、その価値は十分にあります。起きていて夢を見たいのであればこの歌人の歌に身を任せることです。

2022/01/01

KEI

短歌の結社に入っている方がお好きな歌集と伺い手にした。水原氏の第一、第二歌集。幻想的で独特の世界観を持つが、私にとっては難解だった。古語や読みにくい漢字をいちいち調べながら歌意を理解しようとしたので読了まで時間が掛かってしまった。また日本や世界の故事、ギリシャ神話などもあり著者の博識に驚かされる。私には解説が必要だと感じた。

2020/12/16

rinakko

〈白木蓮紫木蓮咲きこの春のひかりと闇の両極のいろ〉〈処女(をとめ)なるイーピゲネイアを祭壇に屠りて白き帆は立てりけり〉〈佯狂(やうきやう)はさびしからずや噴水の白きわらひも雲にとどかぬ〉〈われ在りてわれならざれば部屋といふさびしきものの内外(うちそと)に居り〉〈天球に薔薇座あるべしかがやきにはつかおくれて匂ひはとどく〉〈さくら食む鳥のあかるさ終はりなき書物を得たる少女のやうに〉〈たましひの落下をかくも喜びて君いつの世の椿なりしや〉〈喉(のみど)まで蜻蛉(せいれい)つめて逢ひにゆく死者より深くきみを愛すと〉

2021/05/06

はち

再読。結構時間をかけて読んだ。なんという美意識。

2015/09/24

yumicomachi

縦長の美しい函入りの二冊の本にそれぞれ濃紫の栞までついている。著者の第一歌集、第二歌集の世界を堪能することができた。〈歌ののちよみがへりける白鳥の羽色おもほゆやすからなくに〉〈水浴ののちなる鳥がととのふる羽根のあはひにふと銀貨見ゆ〉(「びあんか」)〈さくら食む鳥のあかるさ終はりなき書物を得たる少女のやうに〉〈ミルクティ熱きを注ぎかうかうと未来語るは人ならぬわざ〉〈ヴェネツィアに遊ぶと告げて途切れたる留守番電話の空白の喩や〉(「うたうら」)。春日井建、高野公彦、蜂飼耳による解説を収録。2014年12月刊行。

2022/08/31

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