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虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか (出版芸術ライブラリー)

虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか (出版芸術ライブラリー)

虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか (出版芸術ライブラリー)

作家
森達也
出版社
出版芸術社
発売日
2018-10-03
ISBN
9784882935117
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虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか (出版芸術ライブラリー) / 感想・レビュー

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ショコラテ

多分虐殺のスイッチは誰も知らないうちに、押した自覚もなくいつの間にか押されている。そう、以前から不思議に思っていた。アメリカ帰還兵のPTSD問題。日本ではあまり聞かないと思ってた。もちろん時代のせいもあるが、個が弱い日本人は壊れづらいらしい。集団に馴染みやすく歯車になりやすい。だから戦争で人を殺しても普通に日常生活に戻れる。考えたら怖いことだよね。虐殺はいじめの構図と同じ。多数vs少数で、集団から浮いている者を攻撃する。集団だと個の責任が薄まるから残虐になる。人間の本能だからブレーキかけるのは至難の業か。

2019/01/20

遊々亭おさる

関東大震災時の朝鮮人狩りやナチスによるホロコースト・・書き出せばきりがなくなるほどに歴史に刻まれた蛮行の数々。彼らは何故、虐殺に手を染めたのか。オウム真理教を内側から見たドキュメンタリーを制作し、賛否を呼んだ著者が考察した虐殺に至る心理的なメカニズム。「凡庸なる悪」と評されたアイヒマンは役人として真面目に働き家族を大事に想う平凡な男だった。そう、貴方の隣にいるあの人や貴方自身のように。個を埋没させる社会的集団に属し、忖度と同調圧力に身を任せれば虐殺者予備軍の出来上り。彼らと我々を分け隔てるものは何もない。

2018/12/29

hk

75年にベトナムのサイゴンが陥落すると、隣国カンボジアの親米傀儡政権(カンボジアから北ベトナムへの支援ルートを遮断)は後ろ盾を失った。この機に乗じて、国王とポルポト派(クメールルージュ)は手を携えて政権を奪回。ここから原始共産制なるものへの回帰が始まった。キリングフィールドでは無垢な少年兵が虐殺の片棒をかつぎ、知識人(インテリ)は有無を言わさず一掃。女性は凌辱されたうえで殺害されるという有史以来何度も反復されてきた悲惨な光景がここにも出現した。 何故、人は虐殺を行うのだろうか? 本書はそれを考察している。

2018/12/06

Yutaka Matsuzawa

虐殺が起きるメカニズムは何か。ホロコースト、クメール・ルージュ、文化大革命、インドネシアやルワンダの虐殺、関東大震災時の朝鮮人虐殺など。歴史から考えて、個人の殺人と集団が行う虐殺は異なる。殺人は痴情、逆恨み、衝動、もしくはサイコパス。虐殺は個人が大きな集団に埋没し、不安や恐怖に感じている他集団へ忖度と同調圧力で殺戮を行う。脳のつくりなのか、ごく普通で純粋な人達が加担する。歴史を知り、自分の加害性を忘れないこと。あと近所づきあいでもそうだが、会話をし近隣を知ること。そうすれば集団の暴走はかなり減る。〇

2019/05/31

imagine

登戸の殺傷事件があったため、優先順位を繰上げて読む。タレントの「不良品」発言に違和感を感じた人にはお薦めしたい本。森達也はかねてからずっと、善悪の二極化や人間の集団化に警鐘を鳴らしてきた。善良なはずの人間がどうして残虐になれるのか。非常にわかりやすく、いつもの森達也節で語りかけてくる。従来のファンとしては既読感のある部分が多いが、いのちの食べ方、死刑制度、森達也自身のこれまで、などを網羅した集大成的な一冊。人間の、自分の、弱さを認め、それでも世界は豊かで優しいはずだと希望を捨てずに思考を続ける姿勢に共感!

2019/06/06

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