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こころ朗らなれ、誰もみな (柴田元幸翻訳叢書)

こころ朗らなれ、誰もみな (柴田元幸翻訳叢書)

こころ朗らなれ、誰もみな (柴田元幸翻訳叢書)

作家
アーネスト・ヘミングウェイ
柴田元幸
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2012-11-15
ISBN
9784884184308
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こころ朗らなれ、誰もみな (柴田元幸翻訳叢書) / 感想・レビュー

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buchipanda3

「われらの時代に」や「女のいない男たち」などの短編集から訳者の柴田さんが自らの好みでセレクトした作品集。ヘミングウェイは長編に著名な作品が多いが、訳者あとがきを読むと、著者の「なるべく書かない」という氷山理論は短編でより活きるとあり、なるほどそれを意識して読むとこの文章にかなりハマっていく感じを持った。題材として死、戦場、自然が浮かぶ。ただそこにはタフというよりも人の心の脆さが垣間見え、それが切なかったり、乾いたユーモアを見せたりして複雑な情感が呼び覚まされた。未完の「最後の原野」は続きを想像したくなる。

2021/05/10

ペグ

以前カズオ イシグロ氏の白熱教室において「貴方は何故小説を書くのですか?何故小説を読むのですか?」との質問に対して「人間の心を知りたい。読みたい。書きたいのです」と語っていらして、わたしの心にずっとそのことが残っていました。そして、この短編集は如何にも!と膝を打ちます。抑制の効いた文体は柴田先生の訳だからでしょうか?素晴らしい短編の数々。最近つくづく思うのです。辛い話も楽しい話も全て(読むこと)が好きで良かったなあ〜と。

2021/09/28

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

☆5.0 そんなことが出来るかどうかは別にして、キャンプに出掛け薪を焚き近くの水場から汲んできた水を沸かす。 沸いたお湯で少し濃い目の珈琲を淹れ“ちょっと苦いな”なんぞと想いに耽る。 珈琲に飽いたら、やおらヘミングウェイの『こころ朗らなれ、誰もみな』など読み始めてみる。

2020/12/29

アキ

まずはこの本の紙質と文字の大きさが好み。お目当ての短編は「殺し屋たち」エドワード・ホッパーが編集部に手紙を出した程気に入った短編。その後描かれたナイト・ホークスにその影響がみられる。バーでの緊張感のある感情表現を抑えた会話と登場人物。その他18編、死と隣り合わせの戦場での削ぎ落とされた表現の作品、シーンを提示しただけで感傷に浸らない終え方、欧州の戦線での自身の経験から生まれた作品らを、柴田元幸のセレクトした嗜好で読む。「清潔な明かりの心地よい場所」「闘う者」「雨の中の猫」「蝶と戦車」「最後の原野」が好み。

2020/03/09

キムチ27

思いの外、時間が掛った。淡々と続く、日常描写。なかなか入り込めず、呻吟。あとがきに曰く『氷山理論』と称するヘミングウェイの短編手法なのだと。無駄なものをそぎ落とす。「武器よさらば」「日はまた昇る」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」くらい読んだだけの私には短編集は馴染み無い。短編にこそ、作家の力量は現れるとよく言われるように、ヘミングウェイの傑作が多出していると訳者は述べている。英米文学を知りつくした柴田氏ならの妙言と感じた。筆者の分身と言われるN・アダムズを主人公に据えた作品群が面白かった。従軍記者の

2021/04/21

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