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このあたりの人たち (Switch library)

このあたりの人たち (Switch library)

このあたりの人たち (Switch library)

作家
川上弘美
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2016-06-29
ISBN
9784884184506
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このあたりの人たち (Switch library) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

現実の世界の隣にある不思議な世界を、淡々と描いていく連作集。非常に面白くて、私の好みに合っていた。例えば、「埋め部」という掌編がある。あらゆる物を埋めてくれる小学校のクラブ活動で、ミイラを校庭に埋めたりする。外交官らしき人物が来て、町の人たちが地下のシェルターで暮らし、20年の時間があっという間に過ぎることもある。この不思議な世界は現実の世界を侵食するわけではない。現実の世界にぴったりと重なっている感じだ。この絶妙な距離感にワクワクしながら、読み続けた。

2016/08/19

かりさ

これぞ川上弘美さんの真骨頂。どこか不思議で現実と幻想のあわいにあって、少し歪んだ世界を綴る連作掌編集。この小さな町に住む人々のなんら変わりのない普通の暮らしが、読み手にはとてつもなく奇妙で、でもいつの間にか同調している感覚。くるんと世界が回りどこか捻れた空間なのに何故か懐かしく愛おしい感覚。最初の話「ひみつ」から惹き込まれ、白昼夢の中をたゆたうように道すすみ、ラスト「白い鳩」へと誘われます。現実に戻ってこられるかここに留まるのか…このあたりの人々の世界に惹き込まれて何度も戻ってしまいそう。装丁も素敵。

2016/09/09

風眠

このシュールさ、このばかばしさ、そっけない文体なのに思わず笑ってしまう。すべてににおいて最高です!私の大好きなやつです!冷めてるのかと思えば暑苦しかったり、意地悪かと思えば可愛げがあったり、意味深なのかと思えば実はそうでもなかったり。身近に関わったら絶対に面倒くさいけど、少し離れたところから見てたら面白い人しか出てこない。独特に個性的な人々が住む架空の町、繰り広げられるあれこれ。ちょっとダサい感じがするのも、いい。ひとつひとつが独立した掌編だけれど、通して読むと繋がっている。めくるめく不条理ギャグの世界。

2018/04/28

抹茶モナカ

マルケスのマコンド村みたいな街。お伽噺のような掌編が積み重なり、このあたりの人たちのいる不思議な街を描き出している本。さらりと読みやすく、するする小説世界に入り込める。大人のための昔ばなしのような味わい。川上弘美さんらしさも出ていて良い。この先も書き継いで欲しいです。

2016/07/31

nico

女性の語り手が静かに紡ぐ連作短編集。「このあたりの人たち」の周りで起こった、ちょっと不思議な出来事の数々は、体験した訳でもないのに何故か懐かしさを覚える。そして短編が進むにつれ川上ワールド炸裂!特に「かなえちゃん」の変遷が好き。意地悪だった子供時代に始まって、中学時代は不良→暴走族の頭の女→不純異性交遊→大人になってファッションデザイナー→フランスへ留学→「郷土の誇り」…正に人に歴史あり、である。「このあたりの」愛すべき人たちは何処にでもいそうで、やっぱり何処にもいない実に面白い人たちだった。

2018/05/13

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