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旅のネコと神社のクスノキ

旅のネコと神社のクスノキ

旅のネコと神社のクスノキ

作家
池澤夏樹
黒田征太郎
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2022-08-01
ISBN
9784884185923
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ジャンル

旅のネコと神社のクスノキ / 感想・レビュー

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アキ

池澤夏樹:作・黒田征太郎:絵。原爆についての絵本です。クレヨンと水彩画に木工のクスノキの木や建物、ネコ、兵隊のコラボしたメッセージ性の強い絵本。参考文献は「暁の宇品」堀川恵子と「軍都廣島」清水章宏・橋本和正など。巻末のヒストリー「陸軍被服支廠」から宇品港の近くのこの建物は日清戦争から兵士の軍服・軍靴などを作り修復する工場と倉庫があったのと原爆によってもこの建物は倒壊しなかったことを知った。その一部始終をみつめている神社のクスノキの木工が印象に残りました。本年5月この4棟は保存されることが決まったそうです。

2022/09/12

KAZOO

黒田征太郎さんの絵と池澤夏樹さんの文章による広島にあった陸軍被服支廠の歴史を紐解いた本です。絵本とは言いながらも対象はある一定年齢以上の方でないと理解できないのではなかと思いました。黒田さんの絵もデフォルメされていて、木で作った建物や人間などがありそれを猫の目を通して描かれています。広島にあったということですが原爆の被害を逃れた建物で要は反戦的な意味合いの本だと思いました。最後にはかなり詳細な解説があります。

2023/05/23

buchipanda3

戦争と原爆について語った絵本。描かれるのは「旧広島陸軍被服支廠」という建物を巡るお話。この建物は8月6日に爆心地からそう遠くない場所で被曝した。しかし倒壊しなかった。それは近くの小さな比治山が爆風を弱めてくれたからという説があるという。死をもたらす戦争のために人間が建てたものが、自然によって生かされた。旅のネコが再びそこを訪れた時、目線を感じる場面が印象的。惨事を体感したその目。物言わぬその目が言おうとしているもの。その思いがこの本から伝わってくる。今は建物の傍には草花があるという。今は全て自然の中へ。

2022/09/09

みゆ

広島の原爆がテーマの絵本。書き殴ったようなネコ、荒削りの木片でコラージュされたクスノキ。自分、絵心は全くないのにこんな事言うと怒られるかもしれないけど、ゲルニカのような怒りのパワーを感じた。ただ怒りからのその先がはきと見えない。きっと永遠の課題なんでしょうね。

2023/02/28

たまきら

第五福竜丸にも寄稿している黒田さん。この本は旧広島陸軍被服支廠のお話です。2001年に広島に短期滞在しているときに、平和活動をされている人たちに連れて行ってもらいましたが、20年以上経って保存がようやく決まったことにじ~んとしました。ちょっと平和公園からはあるけれど、ぜひ有効活用してほしいな。

2022/11/25

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