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ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし アメリカ編)

ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし アメリカ編)

ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし アメリカ編)

作家
ヴィクター・ラヴァル
藤井光
出版社
東宣出版
発売日
2019-12-02
ISBN
9784885880995
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ブラック・トムのバラード (はじめて出逢う世界のおはなし アメリカ編) / 感想・レビュー

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nuit@積読消化中

【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉参加にて!H・P・ラヴクラフトの「レッド・フックの恐怖」に相反して捧げるという体で、移民の母を持つアフリカ系アメリカ人作家ヴィクター・ラヴァルの幻想文学と思いきや、立派なホラーな世界が堪能出来ました。カバーの折返しに著者のお写真がありますが、私の中ではそのまま著者がブラック・トムのイメージでした(笑)。馬の毛のブラシ…って!?え、ソレ!?…と恐ろしいです。あとがきを読むと、この作家のホラーや幻想文学といった長編ものも気になるところ、どこか翻訳して欲しいです。

2020/08/27

ヘラジカ

2018年の世界幻想文学大賞受賞作家、ヴィクター・ラヴァルによる「レッド・フックの恐怖」再話。それほど読んでいるわけではないので偉そうなことは言えないが、膨大な数あるクトゥルフ神話二次創作のなかでも最良の一作ではないかと思う。黒人視点から人種問題を絡めている分、物語に厚みがあって原作よりも良いと思ったくらいだ。地下におけるクライマックスは中々の迫力があった。黒人文学とクトゥルフ神話を融合させた秀作幻想小説。どこかで邦訳が進んでるに違いないThe Changelingはもちろん、是非他の作品も読んでみたい!

2019/12/03

きゅー

ラブクラフトによる「レッドフックの恐怖」を、人種差別問題に絡めてリメイクした本作。主人公であるチャールズの不満や悲しみ、怒りが主軸となり、そこにラヴクラフト的なコズミックホラーが交わることで新たな境地が生まれている。「俺は心のなかに地獄を抱えている」。吐き捨てるように言うチャールズには誰もが同情を禁じえない。クトゥルー神話における登場人物は、超自然的な恐怖を受ける犠牲者という役回りでしか無い。しかし本作では、何よりチャールズが物語を牽引しているのが新鮮だ。彼の心の激しい葛藤が描写される結末は一読の価値あり

2020/12/15

ヴィオラ

ラヴクラフトの「レッド・フックの恐怖」を語りなおした…とか言うから、もっと文学寄りにしているのかと思いきや、結構本気でクトゥルーだった。嬉しい誤算(^ ^) トムというアフリカ系の少年を話に組み込む事によって、ラヴクラフトの「レッド・フック〜」には欠けている視点を補いつつ、現代的感覚でブラッシュアップしてある感じ。ラヴクラフトらしき人物も作中にチラッと姿を見せたりして、なかなか楽しい一冊。「レッド・フック〜」を読んでなくても大丈夫そうだけど、読んでるとより楽しめるかと。

2020/01/30

きたさん

ラヴクラフト「レッド・フックの恐怖」を元にした、二次創作ともいうべき作品。最近TRPGやクトゥルフに触れるようになったので、その流れから興味を持って読み始めました。現代では不条理としか思えない黒人差別と《異物》を描くクトゥルフの世界観が上手にかみ合っていて、ひと息に読了。当時の差別を当然とする社会の描き方に感心すると同時に、「ここでSAN値チェック入るな」と思う描写にニヤリとしてしまうなど、TRPGを知っているからこそ、より楽しめたような気もします。

2022/04/14

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