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美しき少年の理由なき自殺

美しき少年の理由なき自殺

美しき少年の理由なき自殺

作家
藤井誠二
宮台真司
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
発売日
1999-10-01
ISBN
9784889919349
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美しき少年の理由なき自殺 / 感想・レビュー

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扉のこちら側

初読。2014年34冊め。自殺した彼は著者の一人、宮台氏にひかれ過ぎて自分自身の存在感がなくなってしまった感。浮遊していたのは彼ではないのか。

2014/01/26

踊る猫

単純に言えば宮台真司が言う「強度」とは快・不快という、それだけなのだと思う。考える前に感覚を信じ(感覚に間違っても「何故?」なんて訊いてはならない!)、自分を感覚の受像機にしてしまうこと。そうやって自分をとことんまで失くすこと……そう考えると宮台真司の勉強は自分に掛け替えのない単独性を作り上げるためのものではなく、むしろ逆に誰にでも言える論理を吐く「凡庸」な人となってしまうことなのではないか、とも思う。読みながら、私も「美しき」「自殺」を求めて彷徨ったことを思い出した。今はただ、生きているから生きている!

2020/01/10

_sakadon_

宮台の本はゲームの攻略本のようなもの。たくさんの経験や知識、理論と実践に彩られた、信頼に値する攻略本。S君は攻略本を見ながらゲームをして、「こんなのクソゲーじゃねぇか」とリセットしてしまった。宮台の答えは「そりゃ攻略本みてやったらつまんねーだろ。そういうところもわかったうえでゲームやれ」というもの。

2012/01/31

geoff

「人生無意味だけど、そこそこ楽しい」か、「人生そこそこ楽しいけど無意味」か。両者の違いは絶大で、後者になると自殺率が急上昇する。この本は、宮台に心酔し、実存を抉られたがゆえに自ら命を絶った22歳の大学生「S」の生と死を記録したものだ。彼を苦しめたのも「意味」だった。オウム事件の直後から宮台は「生きる意味なんか探しちゃいけない。終わらない日常をまったり生きろ」ということを言い続けていた。そのメッセージに強く影響されて色んな試行錯誤をしたが、結局上手く行かなくて、分裂に耐えきれなくなり、Sは自殺した。

2023/01/07

しゅうしゅん

他人の経験をなぞるのではなく、自分自身のナマの経験を積むことが大事かな。まるで村上春樹の小説みたいだった。トロフィーガールな少女よりも酋長的な生き方のできた親友に対しての憧れの方に力点があってホモソーシャル?な付き合いではなく恋愛関係になっていたら、失恋しても死ぬことはなかったんじゃないか? 物語にも強度にも生きられずというのは秋葉原通り魔事件にも通じているのかなとも。99年の本だけど現在進行形で人々は生きにくさを抱えて「愛国心」をはじめとした物語に行ったり強度に行ってみたりを繰り返している。

2013/12/29

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