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汗の果実

汗の果実

汗の果実

作家
松本てふこ
鶴谷香央理
装幀 ワッショイサンバ
出版社
邑書林
発売日
2019-11-15
ISBN
9784897098852
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汗の果実 / 感想・レビュー

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あなた

何度も読み返してる。最近「だんじりのてつぺんにゐて勃つてゐる」という句がすきで、無意味な勃起というくうかんをつくっているところがとても面白い。つまり、この世界のすべての勃起を無化させている。男は、勃起は、力は、欲動は、なにかのためにあるわけでもなく、ただそのようにたんなるそれだけとしてそんざいさせる。どこかおろかで、無で、無重力で、無意味で、完結していて、はてしない。俳句だからこそ語れた勃起だと思う。俳句はただ「それ」とゆう。この世界のこれまでを少しずつこわす本。「たんぽぽのどこか壊れてゐる黄色」

2021/11/26

ひじき

なんだか懐かしい感じ、あたたかい感じのある句集。突拍子のないことは起こらないけど、色がきれいで買った服が長持ちして体にフィットしているような。さばさば、ぬめぬめ、ふさふさ、といった繰り返し系の擬態語が使われている句がかなりあり、こういうのはちょっとするとダサくなってしまいそうな気もするのだけど、手になじんだ雰囲気にはすごくよくあっていていいなと思う。本の形や表紙の色、フォントがとても素敵。

2020/03/07

豆ぐみ

2019年邑書林刊。「童子」同人の第一句集。特に好きな句は〈会社やめたしやめたしやめたし落花飛花/あたたかや海に浮かびて此花区/惜春のぼんやり重き綿帽子/だんじりのてつぺんにゐて勃つてゐる/台風が来るぞ来るぞとマトリョーシカ/憂国忌踏まれてガムの真つ黒に/遠州やざぶんざぶんと青田風/たたまれしごとてふてふの死んでをり/不健全図書を世に出しあたたかし/ひらがなの名のひととゆく花野かな/泣きごゑに息継ぎありて末枯に/北臨時駐車場いま真葛原/二の酉や射的上手な子の無口/またの名はおにぎり山で春時雨〉などなど

2019/11/28

pirokichi

装訂、装画が、瞳に手に心地よい。 四つの章題が素敵で驚いた。 好きな句はたくさんあるが、 〈炊飯器買つて良夜を帰りけり〉 が今日は最も好き。

2020/01/14

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