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磯崎新+篠山紀信 建築行脚 (2) 透明な秩序 アクロポリス

磯崎新+篠山紀信 建築行脚 (2) 透明な秩序 アクロポリス

磯崎新+篠山紀信 建築行脚 (2) 透明な秩序 アクロポリス

作家
磯崎新
篠山紀信
出版社
六耀社
発売日
1984-10-20
ISBN
9784897370095
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磯崎新+篠山紀信 建築行脚 (2) 透明な秩序 アクロポリス / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

さすがに石の建造物だけあって、神殿の内部こそ廃墟と化しているが、2500年を経ても外部の柱は健在だし、その姿を今にとどめている。アクロポリスを磯崎新は「透明な秩序」と表現し、ル・コルビュジエは「アクロポリスが私を反逆者にしたてた」と語った。建築に関心を寄せる者が、生涯に一度はこの眼で見たいと切望するパルテノンの神域。篠山紀信の写真は、この荘厳を見事に伝える。大理石表面の質感も、林立する柱の力感も、そして柱頭彫刻やレリーフの繊細さも。遠景から見るアクロポリスも。背景の光の処理、空の青さの表現も上手い。

2023/02/15

夜間飛行

ピレウス湾からパルテノンを遠望したル・コルビュジエは、《神殿はこの風景の真珠なのだ》《機械は一人海に向かい…立方体の支配をいきわたらせている》という二つの比喩を残した。これらの言葉は、現代文明に生きる私達にとってこの古代建築がいかに重要かを示唆しているだろう。神殿を歩いたとき彼はその完璧さに打たれ、《アクロポリスが私を反逆者に仕立てた》と記す。磯崎氏もそこを幾度となく訪れ、充満する《透明な秩序》に身体を貫かれたという。できるなら写真からでもこの秩序に身を浸してみたい。そうして私は私の生活へと戻っていこう。

2019/06/06

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