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光の子ども 1

光の子ども 1

光の子ども 1

作家
小林エリカ
出版社
リトル・モア
発売日
2013-12-05
ISBN
9784898153758
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「光の子ども 1」のおすすめレビュー

「放射能」はどうやって私たちのところへ来たのか? アート・コミックで1900年パリと2011年の福島をつなぐ

『光の子ども』3(小林エリカ/リトルモア)

 2011年3月11日からの数日間、あなたは福島第一原子力発電所事故の報道をどのように見聞きしただろう。テレビやラジオは、メルトダウン、水素爆発、放射性物質の放出、といった耳慣れない言葉を叫び、大破した建屋を映し出した。枝野幸男内閣官房長官(当時)は、不確実な噂などに惑わされることなく、確実な情報だけに従って行動するよう呼びかけたが、私は無知ゆえに、なにが確実でなにが不確実なのかの判断さえ難しく、ただただ見えない放射線に怯えた。日本に住む多くの人は、同じような経験をしたのではないだろうか。

 福島第一原発の事故は、現代を生きる我々に“放射能”への恐怖を体感させたが、それがいったい何者であるかという理解については、災害への対策が優先されて、後回しになったように思う。だが、災害や事故に対する備えは、欠けが見つかった以上埋めておくべきだ。だからこそ、今、あらためて“放射能”について考えるための手がかりとしたいのが、アート・コミック『光の子ども』(小林エリカ/リトルモア)である。

 主人公の光は、フランスで放射線…

2019/11/10

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光の子ども 1 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

目に見えないものを描くとき、そこには想像力を要する。そしてその想像力は、喜びや哀しみといった感情がもたらせるものだ。放射能をテーマにする『光の子ども』は、目に見えない放射線を、感情を出発点とする想像力を駆使し、描く。2011年に生まれた少年を主人公にしていることでも明らかなように、小林エリカの感情のひとつは、東日本大震災での原発事故で生まれたものだ。黒澤明は映画『夢』の1エピソード「赤富士」において、降り注ぐ放射性物質を赤く染めた。小林エリカは、それを光として描写する。(つづく)

2020/10/10

ツキノ

X線、放射線、マリー・キューリーの研究、命名した放射能、ショパンの「革命のエチュード」、ロイ・フラーというダンサー、ラジウムの発見、ボヘミア地方ザンクト・ヨアヒムスタールで発見された銀、ウランの発見、1900年のパリ万国博覧会などなど…歴史上の事実と「光」という男の子、「真理」という妹の現在が交差する。いったいこの先どうなるのか…?巻末には年表とブックリストがあり。マリー・キューリーの娘、エーヴによる伝記、これを機に読まないと。

2014/01/19

okame

図書館本。西加奈子さんの『まにまに』より。テーマは放射能について。現代の日本に住む光、猫のエルヴィンと1900年代に生きるマリ・キュリー。時代背景を説明しつつ、放射能の歴史を紐解いていく。続けて2巻へ。

2019/03/23

etcetra

コミックという形式を使って縦横無尽に歴史をキュレーションするような感じにはまりました!

2014/03/11

シュウヘイ

今の自分の理解力では難しかった

2022/06/07

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