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光の子ども 2

光の子ども 2

光の子ども 2

作家
小林エリカ
出版社
リトル・モア
発売日
2016-02-05
ISBN
9784898154328
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「光の子ども 2」のおすすめレビュー

「放射能」はどうやって私たちのところへ来たのか? アート・コミックで1900年パリと2011年の福島をつなぐ

『光の子ども』3(小林エリカ/リトルモア)

 2011年3月11日からの数日間、あなたは福島第一原子力発電所事故の報道をどのように見聞きしただろう。テレビやラジオは、メルトダウン、水素爆発、放射性物質の放出、といった耳慣れない言葉を叫び、大破した建屋を映し出した。枝野幸男内閣官房長官(当時)は、不確実な噂などに惑わされることなく、確実な情報だけに従って行動するよう呼びかけたが、私は無知ゆえに、なにが確実でなにが不確実なのかの判断さえ難しく、ただただ見えない放射線に怯えた。日本に住む多くの人は、同じような経験をしたのではないだろうか。

 福島第一原発の事故は、現代を生きる我々に“放射能”への恐怖を体感させたが、それがいったい何者であるかという理解については、災害への対策が優先されて、後回しになったように思う。だが、災害や事故に対する備えは、欠けが見つかった以上埋めておくべきだ。だからこそ、今、あらためて“放射能”について考えるための手がかりとしたいのが、アート・コミック『光の子ども』(小林エリカ/リトルモア)である。

 主人公の光は、フランスで放射線…

2019/11/10

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光の子ども 2 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

『光の子ども』は、コラージュによって構成されている。過去と未来を同時に切り貼りすることで運命としての因果関係を非情に告げ、あるいは同じ年、まったく別の場所で起こった事象を紹介し、のちに繋がり合うことを予告する(ゆえに、青年アドルフ・ヒトラーと学生リーゼ・マイトナーをウィーンの街角で交錯させることも可能とするのだ)。歴史を振り返るとは、そもそも出来事を切り貼る行為を言うのかもしれない。もちろん、切り貼り、繋げた二つの事象には、本当は時間と距離という隙間が存在する。(つづく)

2020/10/11

kana0202

これはすごいな。まとまってるとは言い難いが、ここまで調べるとは。放射能の歴史が幹ではあるが、枝として女性の権利の歴史があって、まぁ歴史の語り直しに成功している。

2022/11/18

ぶっちー

1914年 サラエボ事件から第一次世界大戦へと世界が動いた裏側で、国際ラジウム学会の開催が開かれたり、広島に原子爆弾が落とされる30年前に開館した、後に原爆ドームと呼ばれる『広島県物産陳列館は、オーストリア=ハンガリー帝国の建築家ヤン・レツルによって設計されていたりと、すべて繋がっていて、逆に怖くなった。 一つひとつが繋がって、悪夢のような世界を作ってしまう、そこにヒトラーも絡んでいたとは、人類の歴史の怖さを知らされる一冊だった。「光の子ども3」も読まなくては!

2021/06/29

okame

図書館本。1巻より引き続き、テーマは放射能について。放射能がどのように発見され、どのような経過を経て、兵器として使われていったのか。一応コミックという形だったけど、今まで読んだことのない形式で不思議な読み心地でした。放射能の発見により、便利で豊かにもなったけれども、良い面ばかりでなく弊害もある。目には見えないけれど、これらのことを忘れず考えなさいってことなのか。この本に関連する『マダム・キュリーと朝食を』も読んでみたい。

2019/03/24

Miki Shimizu

1に続いて。出てくるキャラはなんなのかー?私の読解力では理解できなかった。すみません。

2016/11/04

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