ラブという薬
「ラブという薬」のおすすめレビュー
精神科ってどんなところ? いとうせいこうが主治医とのやりとりを大公開!
『ラブという薬』(いとうせいこう、星野概念/リトル・モア)
日本の厚生労働省が3年ごとに全国の医療機関を対象に行う「患者調査」によると、うつ病を含む気分障害の患者数は、平成8年には43.3万人であったが平成20年になると104.1万人にまで増加した。これは病院に出向いた人の数なので、潜在的にはさらに多くの患者がいると推測される。うつ病による自殺者を減らすためにも、早急な対策が求められる問題のひとつだ。
「うつはこころの風邪」。そんなキャッチコピーで、うつ病は特別な病気ではなく誰でもかかる可能性があるということが啓蒙され、理解も深まりつつある。しかしまだまだ日本には「根性論」が根強く残っており、「辛い」と声を出しにくい環境であることに変わりはないだろう。
『ラブという薬』(いとうせいこう、星野概念/リトル・モア)は、定期的に精神科でカウンセリングをうけるいとうせいこう氏が、診察室での主治医とのやりとりを公開することで“精神科に行く”ことのハードルを下げようと試みたものだ。体の傷なら外科に行くのと同様に、心の傷なら精神科や心療内科にもっと気軽に通ってほ…
2018/3/28
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ラブという薬 / 感想・レビュー
こばまり
精神科受診のハードルをグッと下げてくれる。共著者の星野概念氏の髪型の如くゆるっとふわっとイイ感じ。それにしてもいとう氏は天性の仕掛け人である。
2018/08/19
さおり
いとうせいこうさんと、主治医の星野さんの対談集。星野さんは、精神科医でミュージシャンなのだそうです。いとうせいこうさんと言えば、私の中ではみうらじゅんさんの隣にいる人。そして、時々「足軽先生」になる人。この本の中でもちょいちょいみうらじゅんさんの名前が出てきて、なんか嬉しかったです。この本の趣旨はざっくり言えば「みんなもっと気楽にカウンセリングに行こうや」みたいなことなんだけど、いっそのこと、誰もが精神科医の主治医を持っておく社会になったらいいのかも。私も時々、私大丈夫かなと思う瞬間があるもの。
2018/10/29
ばんだねいっぺい
速度は、重要だ。動作の速度を変えるだけで変わることもたくさんあるしなんてことを考えた。荘子読みたいな~とも思った。承認欲求が肥大化すると「あの人って意識高いよね~」と揶揄されるのかも。言われたことあり。
2018/09/09
にゃんた
読んでいるうちに心の奥に溜め込んで蓋をしているものを久々だれかに吐き出したくなったな。いとうさんのバンドサポートメンバーであり、精神科医である星野概念さん。いとうさんの主治医としてカウンセリングをする関係でもある。何きっかけにせよ、信頼し心のうちをはなせる精神科医がいるっていい。自分の後押しをしてくれる。ラブという薬を読みながら傾聴し共感することを実感しつつ、他者にたいしてもそういう自分でありたいし、自分にもそういう人が欲しいなと思った次第です。難しいことはわからないけれど。
2020/07/02
ロア
そう。私たちは良質なカウセリングを受けたいだけなのです。せめて診察室の中では、否定されることなく話を聞いてもらいたい。傾聴と共感をもって話を聞いてもらえるだけで、気分がずっと良くなることは、自分でもよく分かっているのです。あ、そうか。ここでもやっぱり選ぶべきは自由診療か。いとうさんもきっと自由診療のはず。保険診療だと2回目以降からは殆ど毎回薬もらうだけになりがちだよね?で、処方薬が少しずつ増やされていって、医者は特に苦労することなく医院経営に精を出せて、患者は薬漬けになるばかりで根本的に良くならない、と…
2018/12/23
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