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マリアさま

マリアさま

マリアさま

作家
いしいしんじ
出版社
リトル・モア
発売日
2019-09-07
ISBN
9784898155103
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「マリアさま」のおすすめレビュー

自由な世界にきらめく宝石のような物語――いしいしんじさんの3年ぶりの小説集『マリアさま』

『マリアさま』(いしいしんじ/リトルモア) 書店で新作を見つけると、つい本を手に取らずにはいられない作家が数名いる。そのうちの一人がいしいしんじさんだ。初めて読んだ彼の作品は、確か『ポーの話』だったと思う。彼の独特の世界観にすぐに引き込まれてファンになってしまった。いしいさんの物語には「作り物」感を感じない。現実世界では実際に起こりえないような出来事やストーリーも、私たちのすぐ身近に存在しているかのように感じさせる、そんな不思議な感覚を与えてくれる。私にとってはそのような存在なのだ。

 本書『マリアさま』(いしいしんじ/リトルモア)は、2000~2018年の間に執筆された短編や掌篇の中から厳選された27篇が集められたもの。どの物語にも共通しているのは「新生」をテーマにしていることだ。物語の舞台や登場人物、時代背景などはまったく異なるが、読む者に希望を与えてくれる一冊となっている。

 個人的に印象深かった物語が「土」だった。舞台となるのはイギリスの高級住宅地ノッティングヒル。かつてダブルスのパートナーとして交流していたナイルズの自宅を訪れるシーンから始…

2019/12/1

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マリアさま / 感想・レビュー

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aloha0307

起承転結なんてない but生きている時間 そして感覚がたゆたう流れが全編に...ガブッと ものがたりをブン捕って、我ら人間の根源の感覚を激しく揺さぶるものを感じました✿ ”子規と東京ドームに行った話” は諧謔を湛えながら、不思議に澄み渡る柔らかなひかりが...あっち側から届くひかりでしょうか。死というもの を捉える感覚が、いい意味で変わりました(安心感というか...うまく説明できません)✿

2020/04/27

re;

突然『気づく』瞬間が、たまに訪れる。急に『わかる』瞬間ともいえる。その瞬間に至るまでに確かに続いてきたストーリーがあって、その後に続くストーリーもあるのだが、大事なのはその瞬間で、ほんの短いその煌めきだけが、死の間際まで生き続ける。輝き続ける。その一瞬を切り取れば、きっとこんな作品になるのだろう。短編というよりも詩のような、無駄をそぎおとした文字の連なりの中に全てが在る。瞬間に存在する空気、光、吐息、感情、それら全てを掬い上げた一枚の絵画のようでもある。静かな、それでいて脈動している、そんな一冊でした。

2020/11/11

ROOM 237

大好きないしいさんの童話SS。ページを捲ればいしいさんが愛してやまない京都や三崎の港町の匂いと音にたちまち包まれ、物語は私を色々な場所に連れ出してくれる。銀座で虎がびゅんびゅん走り回るのを気が済むまで眺めていてもいいし、すっぽんの背中に乗って海に連れて行ってもらうのもいい。夏だから氷山に住んでレゲエやラヴァーズを聴くのも良さそうだし、正岡子規と野球観戦したり三崎の魚屋にマンボウを買いに行くのも面白そう。シーツで折った船に乗って三崎に行けたらいいなぁ。

2020/07/13

GO-FEET

全体的にはいかにもいしいしんじ的な短編集。ただし、メルセデス・ベンツ日本のウェブマガジン に載った「自然と、きこえてくる音」と「ウミのウマ」の二篇は雰囲気がちょっと違っていて、残念ながら個人的にはこっちの方が好みなんだよなぁ……

2020/02/16

林克也

「自然と、きこえてくる音」ケンチさんみたいなかっこいい爺になりたい。ただし、この車がメルセデスだとするとどうもしっくりこない。「ウミのウマ」マンボウとデローザのヌエヴォ・クラシコの話。いいなぁ、デローザに乗らせてもらえる息子。「クンさん」ベトナム戦争だ。戦争は嫌だ。「おとうさん」なんて切なくなんて悲しくなんて暖かい話なんだ。いしいしんじにまたやられてしまった。

2019/11/09

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