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砂漠が街に入りこんだ日

砂漠が街に入りこんだ日

砂漠が街に入りこんだ日

作家
グカ・ハン
原正人
出版社
リトル・モア
発売日
2020-08-01
ISBN
9784898155257
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「砂漠が街に入りこんだ日」のおすすめレビュー

ダ・ヴィンチニュース編集部 ひとり1冊! 今月の推し本【9月編】

 ダ・ヴィンチニュース編集部メンバーが、“イマ”読んでほしい本を月にひとり1冊おすすめする新企画「今月の推し本」。  良本をみなさんと分かち合いたい! という、熱量の高いブックレビューをお届けします。

“共同保育”とは? からMONO NO AWAREに熱狂し、八丈島へと旅するきっかけとなったドキュメンタリー 『沈没家族 ――子育て、無限大。』(加納 土/筑摩書房) 『沈没家族 ――子育て、無限大。』(加納 土/筑摩書房) 『沈没家族』という作品に出会ったのは、2019年5月、「ポレポレ東中野」で上映されていた映画が最初だった。

 90年代半ば、東京・東中野で一人のシングルマザー・加納穂子さんが生きのびるためにとった手段が「共同保育」だった。「保育参加者募集中」と書かれたチラシを撒き、一緒に我が息子の面倒を見てくれる仲間を募集するのである。それだけ聞くとあまりに都合がよく、リスキーで無責任にも映るが、日々変化する子どもを前に試行錯誤して共同で子育てに励み、様々な感情をぶつけながらも参加者たちの心の拠り所にもなっていく。そんなひとつ屋根の下で赤の他人に…

2020/9/25

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砂漠が街に入りこんだ日 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

NAO

8つの話はゆるい感じでつながっている。それらの話の共通点は、疎外感、孤独感、哀しみだろうか。「ルオエス」は、街に砂漠が入りこんだという噂を聞いた「私」が、砂漠を探す。どこに砂漠はあるのかとの問いの答は「そこ、そっち、その辺にごろごろ」。砂漠がその辺にごろごろとは変な言い方だが、ごろごろという言葉で思い浮かぶのは、浮浪者か。行き場をなくし社会から疎外された状況にある浮浪者にとって街は殺伐とした砂漠であり、彼らの存在が街を砂漠にしているのか。ちなみに、ルオエスという街は、ソウル(SEOUL)の逆さ言葉。

2020/11/29

tototousenn

☆4.5 一本の煙草の火は家族の気遣いで消せず 放火のつけびが夜尿症のこどもの尿で消される。 不安は砂漠の砂のなかに消え、そして物語が言語と魂との往復のなかで灯る。

2020/12/25

麻衣

白紙の便箋が無言のまま、あふれる人の波に怒涛のごとく押し流されていく。向かいの家に毎日女が吊されているのがみえるのだが、わたしの部屋にはいつも内側から鍵がかかっていて、それが開くことはない。捕まえた雪が当たり前に溶けるように、それはまるで避けられない事実として、彼女の魂もまた掻き消える。数えきれない眠りに蛇口をひねり続け、水中花としてわたしはここから一歩も動かずに、わりと美しく咲くだろう。鮮やかに捨て去られる祝の花束。湿気と黴とにあたためられたこの街では、思いやりの精神は重く、わたしの存在はとても軽い。

2020/12/26

Anemone

母国の韓国を離れ渡仏、あえて韓国語を封印してフランス語で綴られた孤独や不安や寄る辺なさ。なぜフランス語を選んだのかは定かではないけれど、その言語だからこそ入るスイッチがある感覚は分かるような気がする。自分の中の思わぬ何かが釣られて出てくるような読後感。

2021/02/10

M H

韓国人作家がフランス語で執筆した8編。結構大変なことが起きる作品でも、現実感が薄いというか膜が張られたような読み心地。語り手や舞台背景の詳しい説明を排したことで、疎外感が際立っている。理解してくれる人はいなくても見える景色は確かにある。外界との隔絶と平穏を描く「聴覚」、寄る辺なさへ至る瞬間「放火狂」が良かった。

2020/11/12

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