不完全なレンズで―回想と肖像
不完全なレンズで―回想と肖像 / 感想・レビュー
keroppi
先月、ロベール・ドアノーの写真集を見て、他の本も見たくなり、図書館に予約した。この本は、写真集ではなく、ドアノーの回想による文。回想と言っても、まるで銀盤に焼き付けられた記憶のように、断片的で、感覚的。被写体となる詩人や画家や作家やパリの風景が、その時受けた感覚のまま綴られる。説明を読まなければ、それが誰かすら分からない。しかし、惹きつけられる。その人が誰か分からない写真に惹きつけられるように。
2019/04/04
ネロリ
ドアノー自身による回顧録。レジスタンス運動、写真の立場、友人たち、時勢、写真の商品化や抽象化などについて。特に興味深かったのは、ブラック、レジェ、ピカソ、ブランクーシ、などの撮影の仕事。彼らの自宅を訪ね、撮影の許可を貰おうとするのだけど、一筋縄ではいかない。画家たちの個性が見えた。言葉たち。「身体の曲がった人々がその店に入り、まっすぐになって出て来る。イメージの盗人には見逃せない細部だ。」「ぶらつきは孤独な悪徳である。」パリの街を歩いて待ち続けた観察者。翻訳は堀江敏幸氏。
2012/04/21
あくび虫
馴染みのない固有名詞が多すぎるのと、今一つ入ってこないでんぐり返し気味なアイロニーで始終煙に巻かれている気分でしたが、なんとなくお洒落で嫌いじゃなかったです。
2022/01/15
Koki Miyachi
ロベルト・ドアノーのエッセイ集。掲載された写真は、大好きなドアノーの写真なので、もちろん最高なのだが、翻訳が全く合わなかった。違和感を感じるあまり頭に全く入らず。定評ある翻訳者だと思ったのだが。。。
2022/02/10
niaruni
きみが《写真を撮る》って動詞を活用するときは、いつだってレンズの半過去でなんだ、というジャック・プレヴェールの巻頭のことばが印象に残る。写真についてはまったくの素人だけれど、収録されている写真を見ると、なんだか悪戯小僧の優しさであったり思い遣りであったりするようなものを感じる。
2010/12/03
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