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人生のほんとう

人生のほんとう

人生のほんとう

作家
池田晶子
出版社
トランスビュー
発売日
2006-06-02
ISBN
9784901510400
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人生のほんとう / 感想・レビュー

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アキ

つきつめて考えると、「色即是空」である。今現在ここに存在している現象(色)がすなわち何ものでもない(空)ということ。人生とは生存のこと。すなわち、存在とは何かという問いになる。「常識」「社会」「年齢」「宗教」「魂」「存在」の6回の講演で人生を解き明かす。最後に紹介されている著者への17歳の高校生からの手紙が素晴らしい。「メビウスの帯」というタイトル。ヘラクレイトス「運命は性格にあり」や、禅の「月を指す指は月ではない」など人生を言葉で語るという野暮を承知で、言葉で語ろうとする彼女の姿勢に感銘をうける。

2021/09/06

団塊シニア

常識、社会、年齢、宗教、魂、存在の6項目について語られており哲学的人生論という感じです、難解な部分もあるが独特の真理を探究する作者の姿勢が感じられる講演記録である。

2015/02/25

抹茶モナカ

全6回の講演を書籍化した本。人生は何か、というテーマで、仏教の『空』の考えに着地する。仏教は宗教というより哲学だ、と、何処かで誰かが言っていたのを思い出し、池田さんの好みの思考なんだなぁ、と思った。講演録なので、いくつかの本の焼き直しながら、読みやすくて、良かった。

2018/02/12

tapioka

池田さんが「人生を考える」というタイトルで行なった6回の講義を収録した本。常識、社会や世間などは社会的な作り事(言葉の定義)に過ぎない、と自覚することで、作り事に翻弄されず賢く生きることができると述べています。私自身、人は人が定義した言葉の中で生活しており、人が定義しているからこそ色んな矛盾と虚構を含んでいる、と日々感じているので、池田さんの考え方には同意できるものが多かった。ただ、池田さんの著書を読み慣れていないせいか、新たな言葉が唐突に出て来る文章には、終始読みづらさを感じ、理解するのが大変でした。

2016/11/07

風に吹かれて

『14歳からの哲学』の深堀版とでもいいたいような本。中高生には言うべきではない生と死の根源的な意味(もちろん池田氏考えるところの)を考えさせる。私なりの理解では、私たちが「桜」と呼んでいる花の、「桜」という言葉では表せないその「桜」の存在そのものについてまでしっかりと考えること、でも考えることとは言葉によってということなのだから、考えることの限界と人間の考えを超越する存在の謎を感得できれば、人生は素晴らしい、ということだろうか。「桜」という言葉では表せない「桜」の在りように私たちは感嘆しているはずだから。

2019/04/16

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