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ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

作家
マルジャン・サトラピ
園田恵子
出版社
バジリコ
発売日
2005-06-13
ISBN
9784901784665
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ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る / 感想・レビュー

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夜間飛行

オーストリアに留学したマルジは、流行思想の上っ面を撫でて麻薬とセックスとアナキズムごっこに興じる若者達に出会う。文化の違うイラン人である事に負い目を感じ、恋に傷つき路上生活に陥るなど、辛酸を舐めて帰国するが、そこに待っていたのは墓場のような故郷だった。戦争を天国への道と信じる愚かな民衆と虐殺された数千の知識人…惨状を知るにつけマルジはうち拉がれる。二つの文化を生きる人がどちらにも自分の存在が収まらないように感じる不安と、表現の自由や女性の人権が認められない圧迫感と。とても痛々しいけれど、画の力に救われた。

2017/03/29

アキ

マルジが15歳でテヘランからウイーンへ移住してからのお話。修道院へ入れられ、マリファナ・失恋・無一文になりボロボロになって19歳でイランに帰郷する。しかしイランでは更にひどい状況。21歳で結婚とすぐ後に離婚とを経験し、24歳でストラスブールに行くまで。イランでは西欧人と言われ、西欧ではイラン人と言われる。まっすぐな生き方がまぶしいが、イランはイラクとの戦争だけでなく革命防衛軍に粛清された多くの市民と殉教者によって成り立つ社会。女性への抑圧もすさまじい。唯一心の支えの祖母もフランスに渡り亡くなったのを知る。

2020/03/06

tama

他市図書館からのお取寄せ 後編(アニメでは連続した1本) マルジは14でオーストリアに留学しボロボロになって4年後に帰国。イランで大学入学結婚するが(離婚し)自由のために7年後イランから出てゆくまでのお話。幼馴染の男の子が徴兵忌避で逮捕、前線へ送られて片手片足を失っているのを見て「自分を憐れんでいる内はまだ耐えられる不幸。この限界を超える不幸をやり過ごすのは笑うしかない」(彼は明るく笑っていた)。「力の限り公明正大であり続ける」。おばあちゃんの存在感はこの巻で最高になる。おばあちゃん、素晴らしい!

2016/08/10

たまきら

ご両親の彼女への接し方がすごいと思う。教育の重要性、親の寛容性を再確認。本棚に戻しました。

2015/12/18

びっぐすとん

図書館本。えっ!ここで終わりなの?という感じのラストだが、「ファミリーヒストリー」や「波瀾万丈」並みの人生。これでたったの24歳!しかし著者のご両親の懐の深さに恐れ入る。自分の子をここまで信じられるのはすごい。親の世代でこれだけ寛容なことが驚きだ。一度外国で自己主張を覚えてしまった女性がこの国で生きていくのは辛いだろう。走るとおしりが刺激的って、ずっとおしり見てることの方が問題でしょ!「恐れが人に良心を失わせる。恐れが人を卑怯者にもする。」お祖母ちゃん偉大だ。「赦し」ってこの漫画によく出てくるけど、

2020/11/10

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