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サンショウウオ戦争

サンショウウオ戦争

サンショウウオ戦争

作家
カレル・チャペック
栗栖 茜
出版社
海山社
発売日
2017-10-01
ISBN
9784904153116
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サンショウウオ戦争 / 感想・レビュー

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coreshin

生命の営みから取り残され、南海の孤島生き永らえていたサンショウウオ達が、人類にその価値を見出され、商業利用される過程で爆発的に数を増やし、遂には文明化されたコミュニティーを形成し、人類に戦いを挑む、というお話。サンショウウオが持つ同質性や幻想に準拠したコミュニティーといった特徴が、大戦前に顕在化した人類の大衆的な側面と重なる(ナチはその最たる例)。人類と似て非なる知性体を用いて、人類の本質を探る手法は非常にSF的であるが、当時の社会情勢を巧みに反映した諷刺小説でもあった。

2019/08/04

necoko19

★★★★★ すごく、すごくおもしろかった!どちらかというとSFは苦手なんだけど、先が読みたくて一気読みしてしまった。翻訳の文章もやわらかくてとても好き。近いうちにじっくり読み返したい。

2021/06/18

チャンドラー

意思が通じ合うのなら相手はもう家畜ではない。もちろん奴隷でもない、対等な関係だ。サンショウウオには野心も敵対心も無い。彼らはただ生きたいだけ。サンショウウオを利用した人類の悪行の数々を綴ったこの物語の結末は、自然をも支配しようとした人間に、一度立ち止まって考えよ、というチャペックからの強いメッセージである。

2021/04/02

Fumitaka

新訳で再読。人類に奴隷として頤使されていた存在が反乱を起こす点では『ロボット』に似ている。イギリス(だったっけ)がサンショウウオの教育に宣教師を向かわせてるとか、アメリカが映画と馬鹿っぽい金髪の女の子の国だとか、割と主役の国々に嫌味ったらしい描き方をする一方、チェコに関しては「抑圧と解放の歴史」みたいなパトリオティズム的な言及をしているのは、まあチャペックも自国に対して「ヨーロッパ」の周縁部、いうなれば「東欧」の国だみたいな意識があったのだろうか。さりげなくバーナード・ショーとか実在人物が出て来て笑った。

2021/01/13

えっこ

装丁はまるで児童文学なのだが、なるほど、第二次世界大戦直前に書かれた作品だった。サンショウウオが人類を脅かすほどに力を得ていく過程はナチスを想起させる。列強と言われた国々の総論賛成各論反対の態度、中国の扱いなど、あの時代の雰囲気なのだろう。でも、今ならサンショウウオはITのイメージか。便利に使ってきたつもりが、翻弄されてるよね。

2018/12/31

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