点滴ポール 生き抜くという旗印
点滴ポール 生き抜くという旗印 / 感想・レビュー
シナモン
三歳で筋ジストロフィーを発症し、日々命と向き合う著者の詩集。冒頭のエッセイからページを捲る手が止まらなかった。以下ずんと胸にきたもの「安楽死という スマートな 断筆より 泥臭くとも 今日を生き抜く」「断腸の思いで切ってきた 数々のこと それは 諦めではなく」「回り道ばかり してきたお陰で 拾うことのできた 落ち葉を焚いて こころ 温める」「本を手で 持てなくなってきて 今 本を読みたい 読みたいと思う」感想は難しいが私も毎日を大切に生きねばと思った。写真も素晴らしい一冊です。
2020/08/20
いつでも母さん
この本に感想など書けられようかーただただご本人とご両親及びご家族係わる皆さまに胸を打たれ、私はホロホロと情けなく泣けてしまうのです。大変だろうな可哀想に・・なんて言葉を吹っ飛ばす言葉が気持ちがここにはありました。強くなる心がありました。嗚呼、あの子に読ませたい・・この本を教えてくれた読メに感謝です。
2016/12/19
新地学@児童書病発動中
号泣せずには読めない本だった。非常にお勧め。私が今年読んだ本の中でベストの一つ。人工呼吸を常に装着し、介護なしには生きられない作者が自分の命を削りながら、書いた詩には読み手の魂を揺るがす力がある。生き抜くこと。苦しみのあまり気が狂いそうになっても、生き抜くこと。生きることの痛みと悲しみと喜びがぎっしり詰まった本だ。どの言葉も読者を強く抱きしめて、励ましてくれる。作者の強靱な精神に只々圧倒されるばかり。作者を支えた母と父の愛情と優しさを考えると、涙が止まらなくなる。この本に出会えて本当に良かった。
2016/12/18
扉のこちら側
2017年4冊め。痛みや違和感等、身体で感じているものを言語化するのは難しい。それを説得力、という表現は正しいだろうか、それを圧倒的に持つ言葉で語りかけてくる。ちなみに作中では触れられていないが、著者のお兄様も同じ病を持ち、画家として活動されている(私はお兄様の方と面識がある)。著者とのファーストインパクトは2014年の兄弟展だったと思う。(続)
2017/01/07
あじ
岩崎さんの生き抜くという旗印、点滴ポールはベッドの横でご両親と共に立っている。三歳から進行性の筋ジストロフィーと歩み、やがて五行歌を詠むようになる。そこには身も心も激しく捩る程の生死の葛藤と、尊いご両親へ言葉尽くしで感謝を詠む姿があった。『どんな 微細な光をも 捉える 眼(まなこ)を養うための くらやみ』『本当に花のある 人がいる その花は年を重ねても 色あせない 楽観の 母の輝き』日々一進一退だとしても、三人四脚で立ち向かう家族。ベッドの上に広がるのは低い天井ではなく、吸い込まれる程に青い大空だった。
2016/04/18
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