幸せについて
幸せについて / 感想・レビュー
ルピナスさん
谷川俊太郎さん。失礼ながら苦労という言葉が似合わない才能の塊と思っていた。でも実は、戦争の時代を生き、創作と介護の両立で大変な時期もあったと。長い人生、本当に色々経験してきた上で語られる幸せ論に、うんうんと頷きいってしまう。一番胸に響いたのは、幸せはあっという間に壊れてしまうから”fragile”(壊れ物)と貼っておきたいという箇所。サヘル・ローズさんも「平和を当たり前と思わないで」と言われていた。確かに当たり前と思うと尊さが薄れてしまう。幸せを感じる気持ちをしっかり持って、壊れ物として大切にしたい。
2022/12/23
けんとまん1007
とても、あたたかで、奥深い1冊。谷川俊太郎さんならではの言葉で、幸せが綴られている。谷川さんの、これまでの人生と思索が相まって、この形になっている。読むたびに、味わいが深くなる。こんな風に、少しでも語れるようになりたいと思う。今思う。ただ、今、ここにいるだけで幸せなのだと。
2019/01/28
keroppi
谷川俊太郎が「幸せ」について綴る。短い文章でいろんな角度から見つめて自然体で書いている。「幸せ」という言葉がなければ「不幸」になることもないとも。「幸せ」は、自然に湧いて出てくるものかもしれない。この本が読めるのも「幸せ」のひとつ。
2023/07/17
里愛乍
「初めに自然に幸せがあった。不幸せはその後の不自然な人間社会から現れた」この一行にどきっとした。そもそもが「不幸」なんて言葉があるから、いやもっといえば「幸せ」なんて言葉があるから不幸せが存在するのではとすら、「幸せなんてコトバ〈ほんとは〉要らない」とあるように、全ては言葉のまやかしでは。少なくともこうして珈琲を飲みながら本書を読めるわたしは不幸ではないと思いながら。
2023/05/03
seacalf
谷川俊太郎さんの幸せについての考察。我々は誰しも幸せになりたい、幸せでいたいと思う。だけど、幸せというひとつの言葉ではくくれない感情や気持ちってあると思う。ふとした時に聞いた何気ないひとことだったら輝く言葉も、こうやって集めてしまうと輝きを失ってしまう気もするのだけどなあ。とはいえ、煌めきある言葉は随所にあって、谷川さんの言葉に共感したり異を唱えたりとあれこれと対話しながら読むのが面白い。『目の前にいなくても、その人がいると思うだけで幸せになれる、そんな「その人」がいるのは幸せだ。』はい、私は幸せです。
2019/01/25
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