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悠久の時を旅する

悠久の時を旅する

悠久の時を旅する

作家
星野道夫
出版社
クレヴィス
発売日
2012-12-10
ISBN
9784904845257
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悠久の時を旅する / 感想・レビュー

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ぶち

本書には、未発表を含む写真229点とエッセイ32編が掲載されていて、アラスカとの出会いからシベリア旅行まで星野道夫の足跡を辿った写真と文章の本です。本書の内容自体は星野道夫を知る人にとっては新しいものではありません。他の本や写真集の中で出会っているものがほとんどです。でも、この本は彼の仕事の全体像を俯瞰し、詳しく知りたい興味あるテーマと、そのための読むべき本の指針となってくれるのです。このような本が出版されることに星野道夫の残したものの偉大さとテーマの広さに、あらためで感嘆するのです。

2018/11/14

ちゃちゃ

星野さんの著作を読むと、日常に隠れているもう一つの時間軸に気づかされる。人間は社会的な存在であり、各々が自己に課せられた役割を担って生きている。けれど私たちは人間であると同時に、この地球に棲む一生物なのだ。極北の雄大な自然を写し取った星野さんの写真と文章は、生き物としての小ささと生命の温もりに気づかせてくれる。人間としての傲慢さを抑え、生き物としての視点を忘れるなと語りかける。その気づきは明日を生きる活力となり、他者や悠久の自然への想像力に繋がる。偉大な足跡を残して自然に還った星野さんに感謝の念は尽きない

2016/12/30

みほ (o^-^o)

星野道夫さんが亡くなって16年後に出版された写真集。巻末にお母様と奥様の言葉も掲載されている。星野さんが歩いてきた道筋を辿る。もしも今もご存命なら、今頃アイヌの歴史を探す旅をしていたのだろうか?星野さんの作品の中で私は特に動物達の写真が好きだ。多くの動物達と目が合っている。星野さんが何時間も何週間も何ヵ月もそして何年も、息を殺して見つめ続けた先に見せる一瞬の表情。写真のこちら側に星野さんの存在を感じて胸が熱くなるのだ。表紙は群れからはぐれさ迷うカリブーだという。その孤独に共感する星野さんの眼差しを想う。

2017/09/03

yumiha

荘厳。どの写真も私を惹きつける。また、添えられたキャプションもエッセイもいい。あまり人の来ないアラスカだからこそ、何千年も何万年も昔を感じ取ることができる。これまで肉食に苦手意識があった私。他の生き物の命を奪う、あるいは搾取しているのだという罪悪感があった。でも、クジラの霊魂を託した顎の骨を「来年もまた返ってこいよ!」と海に押し出す場面に驚いた。アイヌの熊送りやマタギの儀礼に通じるものがある。スーパーで出会うただの食材としての肉とは違うと思った。人生最後の時に傍に置きたい本。購入予定。

2019/03/24

かんちゃん

【図書館】これは手元に置いておきたい本だ。星野道夫氏自身のエッセイと写真で綴った、アラスカに魅せられた彼の生涯の記録だ。奥様が自ら監修されているだけあって、随所に星野氏の人間味がにじみ出ている。写真を鑑賞するなら、大判の写真集を手にとるべきだ。本書はあくまでも今はなき星野氏と対話するための本なのだ。

2016/05/01

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