浦島太郎の文学史―恋愛小説の発生 (五柳叢書 15)
浦島太郎の文学史―恋愛小説の発生 (五柳叢書 15) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
3回目。著者は謎解きの本のようになってしまったと書くが、それがおもしろくて、何度も読み返している。私たちが知っている「太郎」としての物語と、最も古い文献である「丹後国風土記」との隔たりは大きく、今日、誰でも知っている浦島太郎のストーリーが、実は20世紀に入ってから、それも小学校の国語教科書によって定着していったものだという事実には改めて驚く。
2019/03/28
へくとぱすかる
再読。何度読んでもおもしろい。著者も言うとおり、「謎解きの旅」として「夏の盛りに夢中になって」書かれたためだろう。古代の浦島譚が、いかに子ども向きの「昔話」に変化したか、非常に興味深い。ところで、「なぜ助けたのが魚やカニなどでなく、亀なのか」というのは、本書を読めば自ずと明らかになる。亀以外では、昔話としての浦島からは、隠されたテーマを満たさないからである。
2017/09/02
へくとぱすかる
「浦島太郎」は「昔話」ではなかった!ほとんど日本最古の『日本書記』に収録された、神仙思想の影響の濃い、最初から文字化された「恋愛小説」であった。これが本書を貫くテーマである。明治時代の教科書によって、ストーリーが固定化したことが再三述べられているが、唱歌「うらしまたろう」の影響の方が大きかっただろうと思う。その歌詞が、ほとんどストーリーを忠実に、要点をもれなく語っているからである。それにしても浦島のパロディが、狂言をはじめとして古くから行われていることには驚く他ない。よほど親しまれた証拠だろう。
2013/12/21
憩子
『うらしまたろう』読み比べのため。
2020/06/17
佐倉唯月
浦島太郎をこんなに疑ったことはなかったのである意味新鮮だった。当たり前のように受け入れていたが、確かに不思議な話。
2018/12/01
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