POSSE vol.32
POSSE vol.32 / 感想・レビュー
keepfine
廣松渉の物象化論の誤りは、「実際は地球が公転しているのに太陽が地球の周りをまわっているかのような虚飾」まで物象化の産物だと述べてしまうこと。ゆえに資本主義特有の生産関係という問題を曖昧にしてしまう。廣松渉や柄谷行人はマルクス研究というよりは自説を補強するために都合よくマルクスを利用しているという面が強い。人間と自然の物質代謝の撹乱としての資本主義近代において、マルクスは生産関係を抵抗の拠点とする。ルカーチやフランクフルト学派は資本主義の外部に抵抗の拠点を求めたゆえに文化や心理などを重視する傾向あり。
2023/02/16
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