のこった もう、相撲ファンを引退しない
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「相撲は国技」に実態はない? これからの相撲界はどう変わるのか?【作家・星野智幸さんインタビュー 後編】
『のこった もう、相撲ファンを引退しない』(星野智幸/ころから)
力士時代の貴乃花に夢を託し、引退とともに相撲ファンを引退したのは、作家の星野智幸さんだ。2016年から17年にかけてのブログや書下ろしをまとめたエッセイ『のこった もう、相撲ファンを引退しない』(ころから)で、現在の土俵際で目にする景色の、数々の問題点を指摘している。そのうちのひとつが、「相撲は国技」論だ。しかしこの言葉には、実は実態がないという。現代の相撲の場に蔓延する「ジャパンファースト」の空気に大いに怒る星野さんの、インタビュー後編をお送りする。
■国技館ができて、国技と言われるようになった 「高橋秀実の『おすもうさん』(草思社)という本に、それまで自前の会場を持っていなかった大相撲が、明治期に両国に専用競技場を造った際、作家に命名を頼んだら『国技館』と名付けられ、以来国技とされるようになった、とあります。それまで相撲が国技と呼ばれていた記録はなく、いわば個人が考え出したニックネームのようなもので、実体はないんです。相撲自体はモンゴルから渡ってきたものだという認識は皆に共有…
2017/12/22
全文を読む目立つ外国人力士ほどバッシングの対象に? ファン視点で見た「相撲」の現場【作家・星野智幸さんインタビュー 前編】
『のこった もう、相撲ファンを引退しない』(星野智幸/ころから)
大相撲をテーマにしたエッセイ『のこった もう、相撲ファンを引退しない』(ころから)を11月に上梓した、作家の星野智幸さんは怒っていた。ここ最近、相撲の現場で起こったことに対してだ。しかしその怒りは、事件を起こした力士に向けられてはいない。彼らを取り巻く、ジャパンファーストの空気に怒っているのだ。
連日ワイドショーなどであれこれ報道されているものの、事件の背景までは見渡せないままの相撲界に今、何が起こっているのか。これまで、何が起こっていたのか。星野さんにインタビューした。
■相撲は「日本スゴイ」が蔓延する場所に 星野さんは作家を目指していた1990年代、「貴乃花が優勝すれば、自分も受賞に近づく」をジンクスにしていた。そして貴乃花が相撲を引退した2003年、自身も相撲ファンを引退している。しかし11年後の2014年、白鵬の存在に後押しされて再度相撲を見るようになった。するとそこに広がっていたのは、かつて見ていたのとは違う世界だったという。
「モンゴル人力士に対する、ヤジが本当にひどか…
2017/12/20
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のこった もう、相撲ファンを引退しない / 感想・レビュー
starbro
図書館の新刊コーナーでみつけて、来週から始まる初場所前に読みました。星野智幸、『俺俺』に続いて2作目です。著者の相撲愛・貴乃花愛が感じられると共に、元新聞記者らしく客観的な視点での相撲評論は説得感があります。但し、モンゴル人嫌いの急先鋒貴乃花親方の最近の言動を著者はどう思っているのでしょうか?私は国技?である大相撲を限りなくスポーツとして認識していますので、国籍は全く関係なく、強さもしくは巧さだけで、力士を評価しています。著者およびスー女の和田静香が同い年で相撲ファンのため、親近感を持ちました。
2018/01/08
佐島楓
外国人力士に対するヘイトへの反対発言が目立つ。私もそれには完全に同意。お客さんには出身地に関わらず、相撲内容を見て力士を判断していただきたい。特に大相撲が窮地に立たされたときに奮闘していた白鵬関は功労者なのだ(ただ、最近の張り手・かち上げからのなりふり構わない相撲内容は受け入れがたい。勝てばいいというものではない。それはほかの力士も同じである)。
2019/12/25
おさむ
貴乃花の大ファンだった星野さんが相撲の現状を嘆きつつ、これからも応援を続けると宣言した本。NHKのテレビ中継ではあまりわかりませんが、国技館ではモンゴル人力士らを排斥する差別的なヘイトスピーチが幅をきかせているとか。ニッポンコールとしこ名の三拍子での応援も主流なんだとか。日本人力士ではなく、日本出身力士なる新たな定義を生み出してまで、力士を区別する必要が一体どこにあるのか?狭量な思考に陥っていませんか、と目を覚まさせてくれる良書です。若い頃に書いたという相撲小説も収録されていますが、これは駄作ですね笑。
2018/05/02
Carlos
貴乃花の現役時代、白鵬とは違う強さがあった。協会に残ってほしかった。
2020/09/27
おかむら
白鵬の引退後のNHKスペシャルを見た時、取り組み前の相手力士への手拍子や声援、取組後のブーイングの凄まじさに、こんな異様な雰囲気の中で白鵬は闘っていたのだなあと感銘を受けたものですが、その頃(2016年近辺)のヘイトヤジが飛び交う国技館の様子を記録したエッセイ。白鵬、憎らしいほど強かったんだなあ。唯一無二だもん。そして稀勢の里、「日本人」綱取りの重圧はいかほどだったのか…。今ではお二方とも穏やかな親方になってて、なんかやっぱり相撲ってずっーと見続けてると楽しいだなやっぱり。にわかファンですが続けようっと!
2024/02/17
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