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翼 (鉄筆文庫 し 1-1)

翼 (鉄筆文庫 し 1-1)

翼 (鉄筆文庫 し 1-1)

作家
白石一文
出版社
鉄筆
発売日
2014-07-25
ISBN
9784907580001
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翼 (鉄筆文庫 し 1-1) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

テーマ競作小説「死様」。 最期のあり方を人が考えるのはいつの時から なのだろう。 里江子の視点で展開する物語はどこか 不穏で、親友の夫 岳志の説明の つかない意味不明さも逆に面白い。 人間のどうしようもない業のようなものを 現代の恋愛を通して 白石一文は一貫して 描いているが..最後は落ち着くべきところに 落ち着いた、そんな印象の展開だった。

2016/05/14

ミカママ

まさに一気読み。白石節がさく裂、ラストも定石どおりなんだけど、ミステリーぽくもあり、ページをめくる手が止まらなかった。テーマは男と女、そして運命のヒト(白石さん、好きだよね)かな。運命の人と出会ったときには、直感でわかるものなのか?そしてその人といっしょにいるためには、今の家族を犠牲にしてもいいのか?!ううううううむ、重い!めっちゃ重い!岳志を救った鳥の群れが、いっぷくの絵画のように浮かんで。読み終わって、タイトルの重さがしみじみと。やっぱり好きだわ、白石作品。

2016/02/24

ヴェネツィア

白石一文は初読。解説を書いている書店員の梅原潤一郎氏は全身で思い入れを込めて絶賛しており、しかも「いつもの白石節炸裂です!」と語っているところをみると、この作家の真骨頂を発揮した一書であるらしい。しかし、私はとうとう最後まで主人公の岳志に共感することができず、文字通りに一瞬のうちに「生涯をささげる愛」に身を投入するという感覚に納得することができなかった。そして、彼が最後に成した行為にしても身勝手な思い込みであるとしか思えなかった。タイトルの「翼」もまた、作家の一人よがりな空回りに見えてしまうのである。

2017/03/22

Yunemo

感性には訴えてくるのだけれど、何だか分からない、理解できないまま最後まで、というのが本音。著者作品、大半を読みこなしているとの自負はあったのですが、これだけは最後まで頭で理解できぬまま。人間に必要なのは、広々とした人の輪ではなく深々と重く限定的な絆。人間は知恵や理性ではなく感情のままに行動。真実の運命の人、この人が運命の相手だと決断する、等々。巻末に詳細な解説が記されてますが、なかなかこんな読み方なんてできません、というのが実情。こう感じさせてくれるのが小説が小説たる所以、そう思ってため息つきながら読了。

2014/08/10

人間万事塞翁が馬ZAWAZAWA

「ほかならぬ人へ」を思い出していた。著者が同じだから当然なのだが・・・大事な人だと気付いた時にはおそかった。いや、前からわかっていたのに自分を偽っていた。だから、その代償はあまりにもおおきかった。『ほかならぬ人』と思える出会いは奇跡に等しい。私は妻にほかならぬ人と感じる時がある。もっとほかの出会いもあるかもしれないけれど。でも、それは永遠の課題であるし、幻かもしれない・・・

2014/10/27

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