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レモン石鹼泡立てる (散文の時間)

レモン石鹼泡立てる (散文の時間)

レモン石鹼泡立てる (散文の時間)

作家
東直子
出版社
共和国
発売日
2022-10-31
ISBN
9784907986605
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レモン石鹼泡立てる (散文の時間) / 感想・レビュー

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Ikutan

2000年から2021年までのエッセイや書評を纏めた一冊。もちろん、歌人である筆者だから、短歌の引用も多くて、選び抜かれた言葉が味わい深い。印象に残ったのは、生命に対する慈しみが伝わってくる岡本かの子の歌と震災短歌。31文字に込められた思いは、時を経ても色褪せることなく、真っ直ぐに伝わってくる。江國さんや川上さんなど好きな作家の書評は、親しみを感じ、また読み返したくなった。どんなに時代が移り変わっても、本の世界は永遠で、受け取るものは、読み手次第なんですね。ユーモアのあるエッセイは、クスリと笑えて楽しい。

2022/12/17

よこたん

“年月が過ぎれば自分をとりまく環境や状況がどんどん変わり、身体は年を取っていく。いやおうなく。でも、一度まとめられた本の中の世界は、ぴたりと閉じれば固い表紙に守られて、ずっと変わらない。” 読み返すたびに感じ方が変わるのは、自分が変わったからだと。どんな心持ちで読んでも、本は黙ってそこに居てくれるのだなあ。書評、エッセイ、短歌のこと。身体の中に沢山の短歌が収納されているようだと語る東さんと、好みの本のジャンルが近い気がして、とても嬉しい。食べ物アレルギー、高校野球(箕島高校)、思い出のいい匂いが漂う。

2023/02/14

ケイティ

書評でもありエッセイでもあり、短歌もありの東さんならではの一冊。穏やかで優しい文章のようで、芯の強さも感じます。登場する未読の作品を読みたくなるのはもちろん、思わず高野文子を再読。

2023/06/11

pirokichi

東直子さんの2005年頃~2021年に書かれた書評を中心にまとめられた書評&エッセイ。先日出かけた神田古本まつりに出店していた版元さんのお店で購入。タイトルが何ともいいなあと思って。「特別な興奮 八月の青い空」というエッセイの「クリーム食べるか?」には、思いっきりなつかしさが込みあげた。商店を営んでいた亡き伯母が家に寄るたびに「〇ちゃん、クリーム食べん?」と声をかけてくれてよく一緒に食べたから。蓋も舐めてたわ。東さんは歌人だから短歌の引用が多く、大西民子さんの歌集をよみたくなった。

2022/11/02

Y

筆者が引用する与謝野晶子や岡本かの子の短歌が筆者の短歌のイメージとは違っていたので意外だった。ロマン成分が減っている現代の考察は腑に落ちた。現代は明るすぎる。愛を語るには光のない深い闇の中が適している。だからロマン成分を摂取するために観劇に行ったり映画館に行くのか。「短歌を知る、覚えていくということは、自分の気持ちを保つための言葉を確保していくことでもある」とあったが、まさしく短歌の一番の効能はそこだと思う。大好きで覚えた短歌を口ずさむと現実と対峙するときにお守りとなって勇気をもらえる気がする。

2023/02/19

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