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ミルクとはちみつ

ミルクとはちみつ

ミルクとはちみつ

作家
ルピ クーア
Rupi Kaur
野中モモ
出版社
アダチプレス
発売日
2017-11-17
ISBN
9784908251078
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大好きな人が「私のすべて」ではない。失うことで私は“私”になれると知った、大切な詩集 【読書日記9冊目】

2017年7月某日

 何のために書いていけば、どうやって生きていけばいいかわからなくなってしまった。

 インターネットで好きな人が結婚したという情報の片鱗を見つけて、「寂しくなったから電話してもいいですか」などと何でもないような顔をして、結婚について問いただしたら、数秒の沈黙の後に彼は「そうだよ」と言った。「私も結婚相手のひとりとして検討してくれるって言ったじゃないですか、勝手に結婚するなんてひどいです」と初めて強めた語気も、「結婚してるの、知ってたと思ってた」という能天気な声の前に霧になって散る。

 後で知ったことだけれど、私に「結婚相手のひとりとして検討する」と言ったときには彼はすでに入籍をしていたようで、そんなことも気づかずに言葉を鵜呑みにした私はバカバカバカバカ大バカの超バカ、だけどそれが本当でも嘘でも今の私にはどちらでもよく、とにかく私は今この瞬間からどう生きていけばいいのか教えてほしかった。彼にもう会えない人生なんて考えられない。彼だけが人生のすべてだった。

 彼と出会ったのは、2年前のことだった。当時ライターの仕事をはじめたばかりで、ラ…

2019/10/15

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ミルクとはちみつ / 感想・レビュー

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Y2K☮

インドで生まれ、カナダで育った詩人ルピ・クーアが21歳の時に出したデビュー作。ジュンパ・ラヒリ的なアイデンティティの揺らぎは無く、最果タヒよりも大人の芳香が匂い立つ。川上未映子が心の声をぶちまけた時に生じる常識的反発と、その後に訪れる「いや、誰かが云わなきゃいけない。彼女がこういう文章を書けるのは、普段は一社会人として我々と同様にじっと耐えてるからだ」みたいな自省が本書からも得られた。多分一般の男はこういう詩を書く女を煙たがる。支配できないから。馬鹿だね。ナマの声を素直に伝え合えばいいのに。対等こそ最高。

2018/01/26

くさてる

恋と性と、自分であることと、皮膚と体温と。

2018/10/24

黒井

17-216】本屋Titleさんのツイートで知った詩集。手放す事が生きる場所の崩壊と同義であっても、自由になる両手で新しく出来る事や掴めるものへの可能性に賭けたいと考えた時期があった事を思い出した(喪失への恐怖に対する防衛反応の一種だと分析)。そんなふうに言葉の姿を介した自分自身に何度も出会った。背骨だったり内側だったり忘れたくない人の姿だったり、近過ぎるからこそ迂闊に触れる事が躊躇われるものがある。言語化を許されない歓喜と快哉が私に与えた影響、その功罪を直視するのは治りかけの裂傷に爪を立てる事に似てる。

2017/11/18

奏市

詩集を読んだのは何年ぶりか。やはり抽象的でよくわからないとこもあるが、なんかこれは素直さとかダイバーシティな先進さもあったりで面白かった。偶々訪れたフリマで、自分もたまに行く古本屋によく通うという店主が熱烈に勧めるので、買ってみた。著者はイラストレーターでもあるとのことで挿絵も多く、シーレを想い起こさせる特徴的な線描画が描かれている。詩のテーマは人生、恋愛、孤独、女、性など。変わり種では、体毛、レイプ、遺伝とか。「私が欲しいのは死ぬほど難しい人」ラナ・デル・レイを久々に聴きたくなり、かけたらマッチした。

2019/12/01

Emma’s Library

5歳から詩を書き始めたルピ・クーアさんの詩集(野中モモ訳)。恋や恋愛、性などエロティックな内容も純粋にストレートに表現できる、読者に想像させる文が素敵。繊細な文脈と大胆さに加え自筆のシンプルなイラストも添えてある。恋愛観は人それぞれだけどクーアさんの世界から、共感できる詩を見つけたり、面白い表現方法をメモできたのは大きな収穫。世間ではビジネスで使える型にはまった文章が重要視されがちだけど、詩のように自分の世界観を独自の表現で伝えて魅了する力も備えておきたい。

2018/10/29

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