読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室

あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室

あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室

作家
寮美千子
出版社
西日本出版社
発売日
2018-12-03
ISBN
9784908443282
amazonで購入する Kindle版を購入する

「あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室」のおすすめレビュー

愛を理解できなかった刑務所の少年たちに「物語」がもたらした奇跡

『あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(寮美千子/西日本出版社)

「涵養(かんよう)」という言葉を聞いたことはあるだろうか。すぐに結果を求めるのではなく、じっくりと何かを育てていくことである。2016年度末まで存在していた奈良少年刑務所では、受刑者たちに社会性涵養プログラムの一環として絵本と詩の講義を行っていた。「絵本や詩なんかで犯罪者をどうにかできない」と思う人もいるだろう。しかし、プログラム実施直後から、驚くべき成果を見せ始める。

 プログラムの講師を務めてきた作家の寮美千子さんは、これまで少年たちの作品を集めた出版活動を行なってきた。そして、プログラムの思い出を綴った著書『あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(尞 美千子/西日本出版社)がついに発表された。本書では、寮さんが「恐い人」だと思っていた少年たちが、少しのきっかけで本来の「やさしさ」を取り戻していく様子が綴られている。

 教育統括の担当者から熱心に誘われ、寮さんがプログラム講師を引き受けることになったのは2007年のことである。期間…

2019/4/22

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

あふれでたのは やさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ちゃちゃ

言葉の力で心の扉がそっと開く。その奇跡的な瞬間に立ち会わせていただいたような感動。重い罪を犯して少年刑務所に収容された少年や少女たち。評価しないこと、待つこと、安心・安全な場所の確保。加えて、受けとめてくれる仲間や大人の存在。「場の力・座の力」を得て初めて、彼らは自己の内面と向き合えたのだ。外から与えられたものではなく、内から溢れ出た彼ら自身の言葉が、自らの成長を促す重要な鍵だったとは。インナーチャイルドが叫ぶ「愛されたい」という魂の声。詩によって表現された彼らの切なる想いが、深く心に響く作品だ。

2019/12/18

しいたけ

荘厳な建物に閉じ込められた無数の哀しみ。そのやるせなさや恨みは、器の美しさとは対をなす。誰も聞いてくれなかった、誰にも言えなかった、誰からも大切にされなかった彼らの言葉。罪を犯し、孤独を深め、出逢いがあった。そこで初めてあふれてきた言葉は、やさしさで出来ていた。奇跡は彼らに起こり、少年刑務所で彼らと関わる大人に起こり、この本を読んだ私にも起こった。人が宝石であることを信じたい。いや、信じられる。大きな憎しみも、小さな喜びも、詩でうたえば輝く石になる。この後の少年たちの暮らしに詩が寄り添っていることを願う。

2019/11/29

あすなろ

童謡ぞうさんが唄えない子が居た奈良少年刑務所。彼等は加害者である前に被害者だった。作家である寮氏が始めた奈良少年刑務所内の教室。この体験をこの本で垣間見て驚く。コミニュケーションが苦手で困っても助けを求められなかったり嫌なことを頼まれても断れない。結果、追い詰められ犯罪へ。そんな彼等の多くは教室で己を優しいと表現する。読了後、僕若しくは世の大半が半ば勝手に想像している像と大きく異なっていることに気が付かされたのである。罪は罪。但し、そこに至る迄の背景は少年達の罪ではなく環境つまり家庭等環境にあるのである。

2020/03/17

ゆみねこ

読み友さんの感想で知った1冊です。寮美千子さん初読み。奈良少年刑務所で絵本と詩の教室の講師を務めた著者。童謡・象さんの歌を知らないで育った子、「宿題」の意味を知らなかった子、彼らは加害者になる前に被害者であったとも言える。絵本を読み、役を演じ、詩を書き、人の言葉に耳を傾けることで変わって行く彼ら。共感し、見守ることの大切さを学ばせてもらいました。とても良い本です。お薦め!

2020/04/01

nyaoko

読みたい本リスト「空が青いから白を選んだのです」を登録したまま未読だったのですが、先にこちらを読みました。奈良少年刑務所にて絵本と詩を使い「社会性涵養プログラム」を行った記録。殺人、強盗、強姦、凶悪な犯罪に手を染めた彼等は加害者の前は被害者だったと言う事実に今更ながら言葉を喪いました。多くの少年が愛されて守られるはずの幼少期を、ひたすら暴力と飢餓に苦しめられた過去。そんな彼等が月に1度のプログラムで劇的に心を開き、言葉を巧みに使い、表情を取り戻していく。そうだ、人を変えるのは人なんだ。

2020/09/15

感想・レビューをもっと見る