等身の棋士
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「等身の棋士」のおすすめレビュー
将棋の年・2017年の波を未来へ…人は将棋の何に惹かれるのか?
『等身の棋士』(北野新太/ミシマ社)
永世七冠を達成し国民栄誉賞の授与も決まった羽生善治、「ひふみん」こと加藤一二三の引退と独特なキャラをいかしたさらなる活躍、15歳の早熟棋士・藤井聡太の歴代最多連勝記録や勝負メシ…2017年は棋士の名が度々話題に上り、将棋界が一躍盛り上がりを見せた年だった。
本書『等身の棋士』(北野新太/ミシマ社)の著者は報知新聞の記者。前著『透明の棋士』のヒットに続く待望の一冊だ。著者自身が「将棋ノンフィクション」と称する本書がどのようなスタンスかをご紹介しよう。
最近、先輩の観戦記者から「将棋や棋士の何にそんなに惹かれるんですか?」と尋ねられた。 どんな競技よりも真剣勝負だからですよ、とか、けっこういろんな世界を見てきましたけど、ああいう人たちはなかなかいないもんですよ、などと、ああだこうだと答えてはみたものの、どうにもしっくりこなかった。
このように言葉で説明しても著者がしっくりこなかった将棋愛は、「将棋はなぜこんなにも魅力的なのだろうか」という根本的な問いかけとともに、本書全体に浸透している。多くの人にとってはテレビの…
2018/2/5
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等身の棋士 / 感想・レビュー
akihiko810/アカウント移行中
報知新聞記者による将棋界のコラム、観戦記。印象度B 藤井聡太、羽生、加藤一二三らの対局などの観戦記、将棋界のコラム。いささかエモーショナルな筆致で棋士の人生をあぶりだす。それが著者の個性なのだろうけど、若干鼻に突く感じもした。三浦ソフト疑惑事件のその後の記事も載ってて、「不幸な事件だったが、誰も悪意はなかった」とまとめている。そうなのだ。告発された三浦も、告発した側である渡辺も(悪人扱いされることが多いが)、悪意あったことではない。しいて言うなら、当時の連盟の無能さゆえの出来事なのだろう
2021/08/20
るっぴ
北野新太作品、初読み。棋士という二文字は「将棋を指す侍」とは、知らなかった。奨励会三段リーグを2位以内でプロ棋士になれる。そこには、26歳までの年齢制限もある。羽生、藤井共に凄さがわかる。
2018/04/21
はじめさん
報知新聞文化部記者である著者が見てきた、将棋棋士たちのエピソード集。今をときめく天才棋士・藤井聡太絡みが多かったけれど、彼に敗れて現役を退いた加藤一二三先生の姿、電王戦ファイナルでコンピュータを混乱させる一手は果たして最善手か否かの議論勃発の行方先生の様子など。そして短編アニメも公開された初の外国人女性棋士カロリーナが、まだ女流三級で正式な女流プロではなく、年齢制限ギリギリで迎えたクリスマスシーズンで何を思っていたのか。/ 私は駒というグラディウス持つ盤上の剣闘士たらん。敗者は血溜まり(タルタロス)に眠れ
2018/06/16
朗読者
棋士たちの熱いノンフィクション。羽生先生、渡辺先生、ひふみん、豊ピーらお馴染みの棋士たちの熱い想い、熱い戦いに感動しました。途中、藤井聡太vs佐々木大地の初対決(新人王戦の準々決勝で大地先生勝利)と2戦目(叡王戦準決勝で聡太先生勝利)のエピソードが出てきて、昨日今日の王位戦第4局と偶然にぴったりタイミングが重なり、紙面と画面をシンクロした熱戦を楽しめました。
2023/08/16
ま
ポエムチックな文章がもう一つ好みでなかった。あと描かれてる藤井聡太像も自分にとっては既存のものと変わらずそこも残念。取材対象を広範に持ってるのは良かった。伊藤果先生は改名後のお名前だったのは知らなかった。三浦冤罪事件もっと書いてほしかったな期待してたのに
2022/01/10
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