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上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

作家
小田嶋隆
木下晋也
出版社
ミシマ社
発売日
2018-02-26
ISBN
9784909394033
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「上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白」のおすすめレビュー

「四十で酒乱、五十で人格崩壊、六十で死にますよ」医者からの宣告はアルコール中毒

『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』(小田嶋 隆/ミシマ社) 「酒は百薬の長」。適度な量と飲み方をしていれば、長生きに繋がるといわれている。仲間同士で楽しく飲む酒、自宅でちびちびやる晩酌、体だけでなく、日頃溜まったストレスの解消にもなっているだろう。しかし、酒は「諸刃の剣」でもある。過剰摂取で体調を壊す、暴言、暴力、酒乱、酒のみ運転など、時として違法行為にも繋がり、他人に迷惑をかけることもある。さらに、アルコール中毒という深刻かつ厄介な病を引き起こす。

『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』(小田嶋 隆/ミシマ社)は、コラムニストで元アルコール中毒患者の著者が、自らの20年に及ぶ(そしてまだ続いている)アル中の治療について、告白したものだ。 ■依存を生むのはものではなく、人 アル中というと、「酒だあっ!」と目を血走らせて、手が震えているような人を思い浮かべがちだ。しかし、普通のアルコール依存者は酒を切らすことがなく、離脱症状で手が震える前に飲んでいるという。そして、いつも酔っ払っているから足元がおぼつかず怪我…

2018/4/17

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上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白 / 感想・レビュー

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kinkin

二十代から三十代にかけてアル中だったと告白する著者が自分がアル仲であったこと、脱アル中だったこと、脱アル中への道がどんなものがあったかに書いている。読んでいて感じたのは著者の体験がたくさん書かれているのだけれどなんだか読みにくい。アル中という他人からはその心のうちがわかりにくいせいなのかもしれない。様々な問題を起こしてからアル中はやっぱりなという社会の風潮がある一方で普通に飲んでいるアル中もたくさんいる訳だし。告白だからそれでもいいのかも。

2018/05/06

ゆいまある

追悼。キレッキレの文章が心地いい。自身の依存症についても歯に衣着せない攻撃的な口調のままである。最初に診断を下した赤羽の田中先生。昔時々患者さんを紹介して貰ったのだが、当時は好きじゃなかった。私も未熟だったし。こうして読むと小田嶋さんには命の恩人だった。60で死ぬという予言通り、60代で亡くなった。死因は明らかにされていない。生き切った。むしろ長生きできたと思う。酒を辞めると4つあった部屋の残る2部屋で暮らしているようだと言う。寿命は延びたが虚しさは抱えたままだった。酒とともに楽しみも失ったようだ。

2022/07/22

ネギっ子gen

題名がお洒落!「いまも私は“断酒中のアルコール依存者”。この状態は、坂道でボールが止まっているみたいなもの。多くの患者は、再び転げ落ちることになる。ほぼ、全員と言っていい。にもかかわらず、私はなぜ、何とか踏みとどまっていられるのか?」について考えた本。「嫌なことあって酒飲むとすっかり忘れられるかというと、そんなことはありません。当たり前の話。むしろ、飲み過ぎちゃったってことが逆に酒を飲む理由になる。お酒がない入っていないと、正常な思考ができない、シラフだとイライラしてあらゆることが手につかなくなる、⇒

2019/10/26

gtn

太宰の「人間失格」主人公をクズ扱いしたり、赤塚不二夫の三十代以降の作品には碌なものがないと断じたり、アル中のステータスを否定しようとする著者。酒が事を成し遂げるのではなく、酒がないと何もできない病気に罹っているだけだとの著者の言葉は、実体験に基づくだけに真実だろう。酔いどれ著名人に憧れを抱いたり、酒に過剰な期待をすることはもう止そうと、水割りを手に本書を読みながら思った。

2020/04/04

Tsuyoshi

元アルコール依存症だった著者による独白。著者曰く、アルコール依存は酒を習慣化してしまった事で出てきた弊害への対処として陥ってしまうものらしく、体質による所もあるとの事。また一生治るものでもないらしくあくまで「断酒中」の意識を持っていないといけないらしい。酒は弱く、飲む習慣がないのだが、飲酒は逃避以外の何ものでもない事が著者自身も述べられていて、再認識できたことは収穫だった。

2018/04/05

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