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アネモネの姉妹 リコリスの兄弟

アネモネの姉妹 リコリスの兄弟

アネモネの姉妹 リコリスの兄弟

作家
古内一絵
出版社
キノブックス
発売日
2019-08-21
ISBN
9784909689504
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「アネモネの姉妹 リコリスの兄弟」のおすすめレビュー

身に覚えのある毒が、仄暗い感情を刺激する――兄弟姉妹の嫉妬にまみれた複雑な関係を描き出す連作短編集

『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』(古内一絵/キノブックス)

「兄弟姉妹に一度でも仄暗い感情を抱いたことのあるあなたへ」

 これは『アネモネの姉妹 リコリスの兄弟』(古内一絵/キノブックス)のキャッチコピーだ。この言葉にギクッとする、兄弟姉妹のいる人は多いのではないだろうか。妹がふたりいる筆者も、そのうちのひとりだ。

 本書は花言葉をからめつつ、兄弟姉妹という複雑な関係性を生々しく描いた連作短編集。訪れる人の心と体を癒す夜カフェが舞台の「マカン・マラン」シリーズが人気の著者、古内一絵氏の新刊である。

 生まれてから死ぬまで変わることのない兄弟姉妹という関係。そのあいだには、キレイなものばかりではないさまざまな感情が渦巻いている。本書に登場する主人公たちは、こちらがハッとするくらい分かりやすく、兄弟姉妹を嫌ったり、妬んだり、憎んでいる。

 ドロドロとした人間模様がおもしろい物語は山ほどあるが、大抵はトラブルを片付け、相手と決別すればグッドエンドだ。しかし兄弟姉妹となると、そうはいかない。

 本作でも優秀な姉をもつ妹が「これが赤の他人ならあきらめもつくのに」と…

2019/10/12

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アネモネの姉妹 リコリスの兄弟 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

fwhd8325

私にも兄姉がいます。それぞれ、あんたの方が…と勝手なことを言います。どの作品にもピリッとしたスパイスの刺激のようなものを感じます。許される関係、甘えてもいい関係、その逆もまた兄姉なんだろうなと、少ししみじみとしています。タイトルからだけでは想像がつかない面白さがこの作品集にはありました。

2020/01/30

モルク

兄弟姉妹を花言葉とかけた6つの短編集。血が繋がっているからこその、嫉妬、依存、執着その他もろもろの感情が溢れる。すべてではないが、親から受ける期待は長子ほど高く、愛は末子ほど深い傾向が…。私は一人っ子なのでこのような感情を持つことなくひとりで背負ってきた。しかし友人に言わせると不平等感は介護などで増し、同窓会には帰郷しても親元に寄らず、全て姉任せの弟に怒りを通り越して、あんなに可愛がられていたのにというがっかり感が強いそうな。ドロドロした話が続くなか最終話のキャロラインでスカッとする!

2021/10/09

うどん

面白かったー!!古内さん大好きです!最後の話、面接の場面スカッとしました🙌

2019/10/06

のぶ

花言葉をモチーフにして、兄弟姉妹のドラマを絡ませた短編集なのだが、自分は花言葉に興味がなく、そこの部分を深く読んでいないので、作者の意図から外れた感想になるかもしれないが、どの作品にも兄弟姉妹の関係が描かれている。環境や状況は様々。しかし全体を通して感じたのは、これらの関係は糸が絡み合ったように難しいものばかりだ。血縁関係にあるので頼りになる部分も多いはずだが、本作に描かれているものはややこしい。文章は古内さんらしさがよく出ていたが、登場する花は奇麗さよりも、毒が込められているように感じた。

2019/09/15

nico🐬波待ち中

SNSの#花言葉診断が結ぶ、問題を抱える6組の家族模様を描いた短編集。家族関係に悩む主人公達に、言葉に表せない気持ちを花言葉が教えてくれる。家族からの重圧や兄弟姉妹への嫉妬に胸苦しさを捨て去ることができず闇の中をさ迷う主人公達。それは身近にいる兄弟姉妹を自分と比較してしまうから。互いが映し鏡のような関係に戸惑うのも無理はない。けれど素直になって、時に傷つけ合うことがあってもよいではないか。だって縁あって集った"家族"なのだから。家族の間に漂うほの暗さが胸に刺さってくる短編集だった。こんな古内さんも好き。

2019/11/14

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