エトセトラ VOL.2
「エトセトラ VOL.2」の関連記事
「だから私はハロプロが好き」小説家・柚木麻子【寄稿】
つんく♂曲に限らずハロプロは都会の中の少女の孤独、または半径100メートルほどの馴染みの場所の幸福について描き続けてきた。一人で歩く時、ふとハロプロ楽曲を小さく口ずさんでしまうのは、アスファルトやテナントビル、横断歩道や駅など、日本の町並みとの親和性が高い歌詞ばかりだからだろう。家の中で聴くのもいいが、スーパーマーケットやチェーン店で、不意にハロプロ曲を耳にする時がファンの醍醐味だ。歌詞を一粒舌に乗せれば、そこから空間がどんどん広がっていって、目の前の風景とピタッとつながるのがわかる。そんな時、自分はこの場所に存在しているのだ、という強い実感が湧いてくる。 ハロプロ曲のヒロインたちは自分が住む町に馴染もうと、言動やファッションに意識を巡らせ、仲間や居場所を作ろうと必死になる。それが恋愛という形を取ることもあるが、彼女たちの一番の目標はその場所で生活していくということだ。地方出身者が多いハロプロメンバーの生き様にも重なる。そのがむしゃらさに自分を重ね、切なくなったり、勇気づけられることもあるが、私が愛してやまないのはその先だ。 町から撥ね付…
2020/2/11
全文を読む関連記事をもっと見る
エトセトラ VOL.2 / 感想・レビュー
舞妓さんそっくりおじさん・お寺ちゃん
田嶋陽子さんが特集された雑誌は、今のところこれぐらいではなかろうか?。ある年代の人達が、初めて知るフェミニズムの学者の代表者は田嶋陽子さんだろう。田嶋先生の著作すら読まず、テレビで怒る田嶋さんを観て、笑ったり嫌ったりした男は今も多いと思う。しかしこの雑誌を読んで、田嶋先生にごめんと謝りたい気持ちにさせられた。今よりマッチョな時代、マイノリティが笑われる時代、真面目である事が恥ずかしいとされた時代に、田嶋さんは果敢に闘った人である(今もなお)。冤罪が晴れたような言い方だが、田嶋さんの主張は正しかった。尊敬。
2021/02/17
明智紫苑
若い頃の私にとっては、田嶋陽子さんは『北風と太陽』の北風に見える人だった。しかし、その思い込みはメディアによるミスリードの結果だった。今の私にとっては田嶋さんは北風ではなく太陽である。実際、この人がいなければ私はフェミニストにならなかった/なれなかったかもしれない。無意識のうちに、私は田嶋さんの薫陶を受けていたのだ。田嶋さんは「女性版大槻義彦」ではなく「フェミニズム版米村でんじろう」の役割を果たしている。というか、大槻さんの「オカルト批判」自体がどことなく無意識のミソジニー臭を放っている気がするね。
2020/04/15
コニコ
結構好きな若手作家のお二人が責任編集しているというので、注目。特集は「We love 田嶋陽子!」というわけで、どんな中身か興味津々でした。いまの20〜30代女性が親世代に聞けなかったことを上野千鶴子さんや田嶋さん世代に聞いていることが面白いです。フェミニズムについて教えてくださいって姿勢で、責任編集者二人が聞いた田嶋陽子インタビューに説得力がありました。ってことは、今の若い世代も田嶋世代が感じていた差別をまだ感じているってことなんでしょうね。先輩たちの偉業を受け継ぐ世代が育っている勢いを感じました。
2020/06/26
jamko
読み応えしかない一冊。現代のフェミニストたちによる愛に溢れた田嶋陽子評。「フェミニズムを3チャンネル(NHK )でやっても誰も聞いてくれない。だけどお笑いでやる、茶化してやれば人は聞いてくれる」「これは私のたった一人の運動」孤立無援のテレビ界で戦い続けた気概。Netflixあたりで田嶋陽子のドキュメンタリー作ってほしすぎる。今再び再評価の波が来て良かったと思う。
2019/12/25
藤
私たちはすぐシェアができる。柚木さんの言葉に踏ん張る気持ちになる。色んなことに落胆したり、絶望の芽を見たり、うんざりしたり投げたくなったりするけど。田嶋陽子という方に本当の意味で会わせてくれたことに感謝する。間違いなく、ひとつの呪いが解ける瞬間だった。
2020/01/04
感想・レビューをもっと見る