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かめれおん日記 (灯光舎本のともしび)

かめれおん日記 (灯光舎本のともしび)

かめれおん日記 (灯光舎本のともしび)

作家
中島敦
山本善行
出版社
灯光舎
発売日
2021-12-22
ISBN
9784909992529
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かめれおん日記 (灯光舎本のともしび) / 感想・レビュー

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アキ

2022年1冊目は、装丁が美しい「灯光舎本のともしび」第3弾。中島敦「マリヤン」「幸福」「かめれおん日記」の3篇。パラオ地方の島女とのわずかばかりの交流と郷愁。オルワンガル島の長老の夢と下僕の夢の中で立場が入れ替わり、現実にもそうなるという昔話。カメレオンを自宅で飼ううちに、精神は活発に働くものの身体は無力になってゆく日々を綴る。とうとうカメレオンは弱って来て手放してしまう。最後「兄と私」で妹の折原澄子が、彼の死の直前の様子を伝える。太宰治と同年に生まれたが、惜しいことに太宰より6年早く喘息で亡くなった。

2022/01/01

Y2K☮

装丁が秀逸。灯光舎という京都の出版社の本。おかげで教科書に載っていた「山月記」や新潮文庫で読んだ「名人伝」「李陵」の印象しかない中島敦の生涯を知った。太宰治と同い年。女学校の教員を辞めてパラオに渡る。帰国後「光と風と夢」が芥川賞候補になり、夢であった専業作家の道へ。だが同じ年の12月に33歳の若さで亡くなる。樋口一葉を思い出した。諸々を知ってからパラオ時代に材を取った「マリヤン」や教員時の鬱屈した精神が綴られた表題作を読むと切ない。彼が健康だったら日本の文壇史は大きく変わっていた。代表作をしっかり読もう。

2022/08/21

那由多

『マリヤン』『幸福』『かめれおん日記』の3作収録。『幸福』が面白かった。

2022/07/24

あつ子🌼

多くの人がそうであるように、私と中島作品の出会いも『山月記』でした。十代の私はその硬質で美しい文章にガツンとやられ、爾来、自分ランキング永代偏愛作家のひとりです。 本書は、パラオ赴任時代の経験から書かれた『マリヤン』『幸福』と、教師時代の経験がベースとなっている『かめれおん日記』の三篇から成っています。著者の圧倒的な漢学の素養を前面に感じることはないものの、そこは中島作品。難読漢字(笑)に普段怠けている脳を刺激され、南洋の生暖かい空気を感じ、生きることの物悲しさが身にしみました。令和4年の邂逅に、多謝。

2022/02/19

きょうすけ

作家としての人生と、教員人生の狭間でジレンマに陥った、中島敦の陰鬱とした心情が読み取れる作品です。自分は誰か。幸福とは何か。何かを成し遂げようと苦心している人におすすめの作品です。ブログに考察記事を書いてます! https://ks-novel.com/chameleon/-/21381/.html

2022/02/07

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