フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き

1959のコールマン

☆5。注意。この本は「初心者向け」「入門書」ではない。あくまで「手引き」。むしろフリー・インプロヴィゼーションの大海原もしくは大密林のなかで迷子になっているワタクシのような人向けの本である。大概のフリー系の書籍は理論武装コテコテなのだが、これは全く逆。むしろそういう聴き方を軽蔑しているようだ。そしてあえて言うなら迷子になっている人に地図や手引きを与えるのではなく、迷子になる楽しさ、面白さを説いている。「大丈夫。私も迷子だ」と（まあ私の読み違いかもしれないが）。とにかくユーモアたっぷり。読んで楽しい本。

2021/07/16

qoop

ユーモアを交えながら分かり易く解説を加え、即興音楽への興味を誘う。閉塞的なリスナーの蒙を、音楽そのものを解体する程の勢いで啓いていく。これは特にインプロヴィゼーションを毛嫌いする他ジャンルの音楽ファンに当てはまる部分が大きい訳だが、インプロヴィゼーションの聴き手にとっても当てはまる部分があるのではないだろうか。いずれにしろ明晰でドライブ感に溢れた内容は気持ち良いほど。これを短い中に詰め込んだ点がとにかく凄い。

2019/10/08

Yoshi

フリーインプロヴィゼーションの基本的な聴き方をユーモアたっぷりに書いている。 演者の中でも自由な物、とか何をやってもいい物とされてしまったりはするフリーインプロヴィゼーションは現実、演奏者としてまったくもって不自由と思ってはいたのだが、この本の中でSun Raが似たような事を言っていて流石と思った。 お作法とまではいかないけれども、普通のポップス等を聴くにしろ、それ以外にこうした音の世界が広がっている事を知る事は豊かになれるので是非、本内にある音源や本を読んだり実際に演奏しているのを見に行ってみて欲しい。

2019/10/16

櫻井

基礎編まではうなずきながら笑いながら読んだ。発展編はまだピンと来ない箇所もあるので何度か読み返すかもしれない。附録の音源リストやブックガイドでまだしばらく楽しめそう。

2023/03/04