落語の影響を受けた太宰治短篇集
落語の影響を受けた太宰治短篇集 / 感想・レビュー
SYDO
壇一雄の「太宰の文章の根幹が、主として落語の転位法によって運営されている事を忘れてはならない」との指摘からのアプローチ。『駈込み訴え』( 饒舌体)、『女生徒』(独白体)を落語の影響と捉える。また、開高健が「太宰治は落語の語り口とか、民話の語り口などをきわめて巧妙に駆使してほんとにう無償の笑いに成功している」と評した『ロマネスク』。三浦雅士は「太宰治は落語家である」と断言し、「寝床」と「もぐら泥」を「二つうまく組み合わせ」たと論じた『春の盗賊』。他に柳家三三へのインタビューも。 【cf.】太宰治『お伽草子』
2016/02/03
qoop
太宰の饒舌体を落語的としつつ、シンプルイズベストな落語観を標榜する柳家三三師にインタビューする点などに疑問を感じた。ここは立川流のどなたかでしょう。独白体の、意識の動きを追いつつ事態を語って行く様とか…もそう。編者のセンスとこちらの心持ちが合わず、残念。
2012/04/12
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