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編集の提案 / 感想・レビュー
冬佳彰
津野さんの名前は『本とコンピュータ』で知ったんだっけな。後は、色んな、本に関する書籍で。本書は、津野さんの「編集」に関する長年の文章を集めたもの。実際に編集に携わってない者でも、「何か役に立つ」感触がある。じわじわ効いてくる滋味のようなものか。後半の「印刷は編集の敵にあらず」が面白かった。DTPやオンデマンド印刷に関する記載。この記事が書かれたのが1994年。現在の、編集と印刷をめぐる状況は、津野さんにどう見えているのだろうか?
2022/03/20
doji
編集者特有の悩みというか、作業や仕事における細々とした迷いや逡巡を掬ってくれるような語りばかりで、なんだかとても気持ちが楽になる本だった。テープ起こしから原稿を書くという行為をはじめ、視点としての編集のあり方という俯瞰視点まで、とても幅広く書かれている。最期の若林さん宮田さんとの鼎談も頷きながら読んでしまったし、答えのないウェブ編集という仕事は、これからもっとそのあり方を問うていかないとなと、我が身を振り返って思った。
2022/07/11
読書熊
大昔の論考なのに古びない。不思議な感覚
2022/11/03
鴨長石
恥ずかしながら津野海太郎という編集者を今まで知らなかった。本書は1970年代から2000年ごろまでに書かれた文章を集めたものだというが、驚くほど現代でも通用する編集論となっている。一番最初に置かれた「テープおこしの宇宙」がのっけから強烈だ。話し言葉と書き言葉の「あいだ」に何らかの本質があるというのは見事な直観で、テープおこしを日常的に行う編集者だからこその視点と言える。電子書籍についてもすでに鋭い考察を放っている。グーテンベルク以来の「固定」とは異なる本のあり方を、これからも人類は模索していくのだろう。
2022/05/26
Go Extreme
実用本位の夢 取材して、演出する: テープおこしの宇宙 座談会は笑う 初歩のインタビュー術 雑誌はつくるほうがいい 人とかかわる、固定観念を脱する: 太い指とからっぽの部屋 植草甚一さんの革トランク 編集者としての植草甚一 テクノロジーと歩む: シロウトがつくったマニュアル フランケンシュタインの相対性原理 パソコン通信で対話 変化を編集する→変わる: 本の野蛮状態のさきへ 森の印刷所 世界の書 複製技術は時を超える: 印刷は編集の敵にあらず 子ども百科のつくりかた 晩年の運動 編集者というくせのゆくえ
2022/05/08
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- 出版社
- 暮しの手帖社
- 発売日
- 2023-03-20
- ISBN
- 9784766002294