「ときめきを探しています!」『花とゆめ』編集長コラム【第2回】
更新日:2018/4/11
ダ・ヴィンチニュースは、雑誌読者のことを一番よく知っている各雑誌の「編集長コラム」企画をスタートしました! 今回ご登場いただくのは『花とゆめ』の鈴木編集長です!
花とゆめから生まれた作品が、紙面という次元を越えて広がっていく瞬間は、観る度に感動とときめきを覚えます。先月24日、丸の内ピカデリーで行われた実写映画「覆面系ノイズ」の完成披露試写会に僕もお邪魔させて頂きました。
開場時間の少し前には会場に着いたのですが、既に多くの方が扉の開かれるのを待っていました。子供の頃、僕が育った市には映画館がなく、映画を見に行くというのは夏休み等のちょっとした特別なイベントでした。その経験もあってか上映を待つ時間には独特の高揚感を感じます。
原作の福山リョウコ先生や担当編集者が、この作品に気持ちを注ぎ、時間を費やしてきた姿をずっと見てきました。
原作のファンの皆さんはもちろん、キャスト陣や今回音楽を担当してくださったMAN WITH A MISSIONさんのファンの方、映画好きの方、何をきっかけにこの場にいらしているのかはそれぞれだとは思うのですが、「覆面系ノイズ」を見に来た方々があの独特の高揚感を感じているのかなと思うと何だか勝手に嬉しい気持ちになってしまいました。
「覆面系ノイズ」は、バンドを組むメンバーを中心とした音楽と恋の物語。漫画で音楽ものをやるのってすごく大変なんです!
ドラマやアニメ、映画等で音楽が作り出す情感の力は疑う余地もありません。
紙の上に壮大な世界、生き生きとしたキャラクター、あらゆるものを作家さんのイマジネーションと表現力で生み出すことが出来る漫画ですが、実際に音を流す事はできません。それでも作家さんは、キャラクターの表情、コマ割り、構図、描き文字の書体、様々な手段でそこに流れている音楽のイメージを読み手に伝えようとします。
音楽ものを読む時には、ぜひその作家さんの創意工夫に注目して頂きたいのですが、他メディア展開する上では、その音が楽しみの一つになります。
実際にリズム、メロディー、歌声となって表現された音楽が、作品が漫画の世界を越えて広がったことを実感させてくれるんです。
映画では、主演の中条あやみさんのピュアでパワフルな歌声と、胸に秘めた気持ちを伝えたいという登場人物たちの思いが相まって、胸に響きました。
僕自身はあまり音楽を聴かない方ですし楽器もできないのですが、バンドメンバーたちが時に楽し気に、時に真剣に、歌い奏でる姿はとても眩しくて、音楽っていいなぁとしみじみ思ってしまいます。
映画「覆面系ノイズ」は11月25日から全国公開です。音楽の話ばかりしましたが、もう一つの物語の軸である恋心は、キュンキュンとときめきをたっぷりと感じさせてくれますよ!
是非、劇場に足を運んで観て頂きたいです!
最後に最新の花とゆめをご紹介させて下さい。
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『花とゆめ』最新号は11月4日(土)発売!
鈴木浩介(すずきこうすけ)編集長
1976年生まれ。慶應義塾大学卒業後の2000年に株式会社白泉社入社。以来18年間花とゆめ編集部に所属し、2016年7月より同誌編集長に。
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