『コロコロコミック』編集長のうんちん日記第4回! ことし中に、編集部員にナイショでやっておきたい3つのこと

マンガ

更新日:2018/4/11

 ダ・ヴィンチニュースは、雑誌読者のことを一番よく知っている各雑誌の「編集長コラム」企画をスタートしました! 今回ご登場いただくのは『コロコロコミック』の和田編集長です。

こんにちは!2017年もいよいよ盛り上がってきましたね!

そんなこと言ってんのは、私だけでしょうか?

いえ、そんなことないですよネ!

読んでくださっている皆さんも年末に向け、少しずつご自分の本年の仕事の総仕上げに差し掛かってるのではないでしょうか?

終わりは見えてますか?

普段はのんべんだらりと鼻歌を歌っている私ですが、ふだんから忙しい優秀な編集部員たちが、さらに忙しく打ち合わせに、取材に飛び回っている姿を見ると、さすがに気が引き締まりまる思いです。

“年末進行”

そう、いつもなら月末が校了日(しめきり)の『コロコロコミック』ですが、12月は3日から5日くらい進行が早くなります。進行を守って、編集部員とそのご家族の、そしていつもお世話になっている印刷所の方々、取次の方々、書店の皆様の休息のために、しっかりしなくてはなりません、私自身が。

そして12月15日に発売される1月号は、毎年1年で最も多くの部数を刷る、勝負の号です。

終わり良ければすべて良しというわけでもないのですが、この号が売れれば、編集部はもちろん、コロコロコミックにかかわっているすべての人が笑顔で新年を迎えれらるのです。

本当に、ガンバラねば!

ですが、そう思えば思うほど、気持ちがあっちこっちに行ってしまうのです。

当然しっかりやります! が、その一方でこんなことも考えてたりします。

編集部内からは「もっと仕事に集中してください!」と怒られるような内容かもしれませんが、よろしかったらおつきあいください。どうぞ!

これが編集部の運命を決める、1月号の予告記事。「スプラトゥーン2」限定ギアはSNSなどで早くも話題沸騰!

1、検証!あの大人気ゲームは、いったい何が面白いのだろうか?

「よっしゃー、○○君の宝箱から強い剣が出たー!」

やっと休みの土曜の朝、もう少し寝てたいんだけど、10歳になる長男の興奮した声で起こされます。

寝室から這い出てリビングへ。

「パパ、声出さないで!今、通信中だから。」

見ると、テレビ画面には「Minecraft」通称マイクラが映し出されています。

そして画面からはひっきりなしに子供たちの声が。

「よし、次はオレが行く」

「○○君の作ったガチャ引いていい?」

など、声の主は顔見知りの長男の友だちたち3、4人です。

“マイクラ”おそるべし!

小学生男児のゲーム事情はここまで進化しています。

友だち複数人で、同じゲームを、会話機能を使って話しながらプレイする日常。

まるで我が家に遊びに来てみんなでワイワイガヤガヤ遊んでいるのと何ら変わりない空気感。

でも、確かにそこには長男しかいないのです。

小学生の私がこの光景を目の当たりにしたらきっとこう言います。

「カ、カッコいい!オレって未来から来た人みたい!」

コロコロでも毎月特集しているのですが、マインクラフトについてはわからないことだらけです。

ただ、これだけはハッキリ言えるでしょう。

マイクラは一過性のブームの類のゲームではなく、新しいスタイルを創ったゲームだと。

なので、流行り廃りなく、これからも子供たちに愛され続けられるハズ。

今までのコロコロが紹介していなかったタイプのゲームです。

そこに、我がコロコロとマイクラの未来への可能性と危機感を感じます。

いつも、ぼーっと眺めているだけなのですが、思い切って長男に聞いてみました。

「なんかさ、いつもマイクラで強い剣が出たとか、○○君の作ったそのガチャ引いてもいいとか言ってるけどそれって何?自分でその辺も自由にできるの?」

すると長男からは、当たり前じゃん、本気でそのレベルのこと聞いてるの?という表情で、

「マイクラ PVP ガチャ で検索して。」

「あと、リモコン とか ふうはや とか ハルのYouTube動画見ればわかるよ」

と極めて冷静な指示が飛んできました。

わかりました、勉強させてもらいます!

毎月マイクラの記事を掲載してますが、正直子どもたちのニーズに応えるにはまだまだ勉強が足りないと思ってます。

2、今年中に読んでおきたい本と、母親の歴史

思い立って、大好きな作家小林信彦さんの著作を読み返してます。

「東京少年」「日本橋バビロン」「流される」の3部作から、「和菓子屋の息子」「60年代日記」、講談社文芸文庫から出ていた短編集3冊と読み進み、今「夢の砦」に至りました。

きっかけは、仕事の合間に浅草の実家に立ち寄った際に母親から聞いた、母親自身の幼少期から娘時代に至る実に興味深い境遇の話です。

父母ともに浅草育ちなのですが、実は5年くらい前、父親に対してじっくり昔の浅草の話を聞く時期がありました。

1回2時間のペースで聞いたのは、およそ次のような内容。

記憶にある最初に見た戦前の町内の風景や暮らしぶり。

東京大空襲の夜、六区の映画館の地下で一夜を過ごし助かったこと。

焼け出された後、本人が生涯一番楽しい時代だったといった千住での生活。

新築して戻ってきた浅草での新生活。

銀座の仮校舎で過ごした高校時代。

とトータル10数時間に及ぶ父の家の歴史をテープレコーダーにおさめた横には、常に母がいました。

だからなのでしょうか、母親もきっと自分もいつか自分の話をしたかったのだと思います。

父母ということを抜きにして、客観的に、年長者の昔話を聞くということは、本当に面白く、かつ勉強になります。

何とか本年内に、じっくり母親に話を聞ければと思っています。

という意味で、下町の老舗和菓子屋に生まれた小林さんの先に挙げた著作群は、主にご本人の家族の歴史をテーマにしていて、私にとっては偏愛的な思い入れを持ち、読み返すたびに新たな感慨の湧き上がる作品なのです。

初めて読んだ中学生の時、まさか自分が主人公と同じ“編集者”になるとは思いませんでした。

3 そして…

3つ目は「お酉さま」、11月の酉の市でのお参りです。

ここ数年、編集部の有志を募って千束の鳳神社に出向いて熊手を買い替えています。

熊手は「福をかきこむ」という意味合いのある、商売繁盛、開運招福の縁起モノ。

威勢良く買って、お参りするのですが、毎年その際に必ず年末号の必勝を祈願することにしています。

お参りの効果があったのか、昨年の年末号はほぼ完売でした!

本年度も同様の成果となるように、11月18日の「二の酉」に出陣します!

熊手というのは毎年少しずつ大きなな物に買いかえていくのが習わしらしい。お参りした後の1杯は格別。

最後に今月の暗号です。

デュエルマスターズチェンジングカード煌龍サッヴァーク」と叫んでみてください。振り返って黙ってうなずいてくれる小学生男児が、きっとあなたの側にもいるはずです。

木枯らし吹きすさぶ中、膝小僧を出し公園でゲラゲラ笑ってコロコロを読んでくれている子どもたちを見かけたら、温かく見守っていただけると幸いです。

それではまた来月、うんこちんちん!

『コロコロコミック』最新号は11月15日(水)発売!

『コロコロコミック』12月号

和田誠(わだまこと)編集長
1971年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業後の1994年に株式会社小学館入社。『幼稚園』『おひさま』『めばえ』『小学一年生』編集部を経て、2005年より『コロコロコミック』編集部所属。2015年より同誌編集長。イベントなどでは、編集長キャラクター「まこ殿様」として登場。

▶『コロコロコミック』公式サイトはこちら

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▶次回の和田編集長のコラムは、12月15日頃更新予定です!

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