「ときめきを探しています!」『花とゆめ』編集長コラム〈第4回〉

マンガ

更新日:2018/4/11

 雑誌読者のことを一番よく知っている各雑誌の編集長による「コラム」企画がスタート! 今回ご登場いただくのは『花とゆめ』の鈴木編集長です。

 ダ・ヴィンチニュース読者の皆様、明けましておめでとうございます。
2018年もよろしくお願いいたします!

 ……と、言いながら実は、僕がこの原稿を書いている現在はまだ2017年末。ちょうど年内最後の年末進行と呼ばれる前倒しの締め切りを無事に終えて、ほっと一息ついているところだったりします。

 しかし、年末年始には合併号を作る雑誌も多い中、合併号がない花とゆめは年明けも始業と同時に締め切りがやってきます。

合併号を作れば、作家さんも編集者も少し余裕が持てるのですが、続きを楽しみにしてくださっている読者の方にいつもと変わらぬペースで作品をお届けしたい、1号でも多く読者の方々が作品と出会う場を作りたい、という気持ちで早速頭の中は2018年に向かって切り替えです!

 さて、新しい年を迎えるにあったって2018年の花とゆめを作るうえでのキーワードを2つ設定したいと思っています。それは「新しい」「個性」です。

実は、12月に発売された2018年1号の表紙でもこんな所信表明をしてました

 そして新しい作品をお届けするからには、外側だけでなく内容面でも「新しい」ものを産み出したい! そのために大切にしたいのが「個性」。作品の個性であり、作家さんの個性、そして花とゆめの個性です。

 以前、都内各地のマンガ専門学校に毎月出張講師に行かせて頂いていた時期があるのですが、その際、花とゆめを読んだことがあるという学生さんたちに必ず聞いていたのが「花とゆめってどんな雑誌だと思いますか?」という質問。

 答えは「他の少女誌に比べてファンタジー作品が多い」ですとか「キャラクターが濃い」とか色々でしたが、一番多く聞いたのが「絵柄や作風が作品によってバラバラ」とか「統一感がない」というもの。

 「バラバラ」とか「統一感がない」というとネガティブな響きに聞こえますが、それでいいんだ、それでこそ花とゆめだ、と思って聞いていました。

 一見、バラバラに見えるのは個々の作家さんの作家性や興味を大切にするからこそ。

 それが花とゆめの統一感であり個性です。

1号から連続でスタートした新連載3作品の扉絵。絵柄も内容も異なる個性の作品です。お気に入りを見つけていただければ!

 ダ・ヴィンチニュースの読者の方々ならご存知かと思いますが、今まんが雑誌は年々どころか下手をすると毎月部数が落ちていく大変厳しい状況。

 既に受けているもの、売れているものに倣った作品作りになってしまいがちです。

 しかしそれでは、雑誌の幅は狭まる一方です。

 そんな中だからこそ改めて花とゆめの原点である「個性」を活かした作品作りで「新しい」ものを産み出していきたい。それが2018年の目標です。

 そして、この場を借りて読者の方々にお願いがあります。

 雑誌は、読者の方々と作家さん、作品の出会いの場です。読者の方々が自分でも気づいていなかったような「自分はこういう物語・世界観が好きなんだ」という発見をしていただきたいんです。

 花とゆめが今年お届けしていく新しいものの中に、その発見があったら是非、その“喜び”を発信してください。方法は、雑誌のアンケートを送るのでもファンレターを出すのでも友達にお勧めするのでもSNSでも、何でも構いません。

 花とゆめに限ったことではないですが、それは作家さんにとっても編集者にとっても次の挑戦への活力に繋がります。

 そして貴方の次の発見へと繋がって行くはずですから!

 最後に最新の花とゆめを紹介させてください。

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 花とゆめ3号の表紙は、主人公2人が大学生になった「なまいきざかり。」! 高校時代以上のラブラブに期待してください!
ふろくは2号のふろく「暁のヨナ」のドラマCDと4号のふろく「贄姫と獣の王」のドラマCDが収納できるCDセットです。


 新連載は倉月忍先生の「半熟アプランティ」。年上OLに恋する高校生男子がお料理に挑戦します。アプランティ(見習い料理人)男子の伊弦くんが可愛~いんです。

 この作品、漫画の後には作中で伊弦くんが作った料理のレシピが載ってます!

2018年も皆様にトキメキを届けられますように!

『花とゆめ』 2018年1/20号は、1月4日(木)発売!

鈴木浩介(すずきこうすけ)編集長
1976年生まれ。慶應義塾大学卒業後の2000年に株式会社白泉社入社。以来18年間花とゆめ編集部に所属し、2016年7月より同誌編集長に。

▶『花とゆめ』公式サイトはこちら

▶次回の鈴木編集長のコラムは、2月初旬更新予定です!

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