作品の隠し味・扉リードの話 『花とゆめ』編集長コラム「ときめきを探しています!」第6回

アニメ・マンガ

2018/3/5

 「ガールズトークの主題はやっぱり……♥」
 「苦くてたまに甘い、恋の駆け引き」
 「せつなくて、あたたかくて、息苦しくて、それが恋。」

 ダ・ヴィンチニュース読者の皆様、突然ですが上の3つの単文が何だかおわかりになりますでしょうか?

 そうです、雑誌に掲載される各作品の扉ページに書かれているあおりの文章、通称・リードです。

発売中の花とゆめ最新号からいくつか抜粋してみました。

 リードは、作品を「面白そうだな」「読んでみたいな」と思ってもらうためや、異なるジャンルやノリの作品が共存している雑誌において前に読んだ作品から次の作品へ気持ちを切り替えてもらうために、各作品の担当編集者が考えています。

 連載作品ももちろんですが、特によみきり・新作ではリードが目に留まるかどうかで読んでくださる人の数が替わるかも知れない、いや増やしてみせる!と、熱が入ります。
時には納得のいくリードが浮かばず、扉絵とにらめっこしながら何十分も頭を抱えるというような事も。

 そんな編集者の密かな腕の見せ所(?)なリードですが、いくつかのパターンがあります。

 代表的なものをいくつか紹介します。

<あらすじ・ストーリー導入型>

 連載作品の前回のあらすじを確認しつつ今回の見どころをあおったり、よみきりではその作品の設定やキャラクターの美味しいところをちょい出したりして、読者の方の興味を引く、オーソドックスながら機能的なスタイルです。

注意することは、勢い余ってネタバレをしない事!

<キャラクター目線型>

 扉絵に描かれた人物のセリフやモノローグ風に。

 連載作品では扉絵に登場人物がアップで描かれることも多いので頻出します。

 このタイプのリードは、そのキャラクターの口調や性格をきちんと把握していないと違和感が出てしまいます。

作品を熟知しているべき担当編集者にとって失敗は許されません!

<客観目線型>

 扉絵に描かれたシチュエーションや作品の内容からイメージを膨らませて、雰囲気を盛り上げる言葉を紡ぎます。

 少女漫画のリードでこのタイプを書くときには照れを捨てて詩人になりきることが重要
です。

ロマンチックなリードを書くためだけに恋愛ポエム集を読むという男性編集者も⁉

 他にも、コミカルな作品で敢えて扉絵突っ込みを入れてみる等、各担当編集者が作品を盛り上げるために工夫を凝らしています。

 時には、編集部内で「今号のあの作品のリードは良かった」みたいに感想を言い合うこともあります。褒められている本人は何ともむず痒い気持ちになりますし、扉絵に描かれている花の花言葉を引用したリードがロマンチックで素敵だなんて言っていたら、作家さんからの指摘で、花の種類が違った(同科の別の花)なんていう失敗談もありますが……。

 ほんの数行のフレーズですが、リードには担当編集者の作品への愛が込められています。

 飽くまでメインは漫画ですので、隠し味みたいなものですが、もし少しだけ注目して頂けて貴方のお気に入りを見つけて頂けたら、とてもとても嬉しいです。

 最後に最新の花とゆめをご紹介させてください。

 発売中の花とゆめ7号の表紙は「覆面系ノイズ」。ホワイトデー直前号ならではの男の子キャラの競演です!

 ふろくは「暁のヨナ」のスケジュールブック2018年度版。

 次号(8号/3月20日発売)のふろく、スケジュールシールとの連続企画です!

 期待の新連載は堤翔先生の「フラレガール」。昨年10月に発売されたザ花とゆめで大好評だったよみきりが連載第1話となって登場です!

 今号のルーキーよみきりはオノヤマコズエ先生が描く「哲学しないで妹尾くん!」。思いを寄せる男子の突然のカミングアウト。貴方ならどう受け止めますか?

 あたなにトキメキを届けられますように。

『花とゆめ』 2018年3/20号は、3月5日(月)発売!

鈴木浩介(すずきこうすけ)編集長
1976年生まれ。慶應義塾大学卒業後の2000年に株式会社白泉社入社。以来18年間花とゆめ編集部に所属し、2016年7月より同誌編集長に。

▶『花とゆめ』公式サイトはこちら

▶次回の鈴木編集長のコラムは、4月初旬更新予定です!

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