あの巨大横丁がなくなる!? 立石へ 『散歩の達人』編集長コラム〈Vol.8〉

エンタメ

2018/5/21

『散歩の達人』6月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。今月号の大特集は「立石・堀切・綾瀬」。じつは本来は別の特集をする予定だったのですが、春前に地元在住のライターさんから「この夏から立石駅前再開発が本格化する模様」との話を聞き、急きょ特集することになりました。とくに京成押上線の高架化工事のため、北口の巨大横丁「呑んべ横丁」を今の状態で見られるのは今年の夏までとのこと。なので、表紙にも「緊急大特集」と題しています。

 さて、立石・堀切・綾瀬ですが、名酒場が点在し“酒都”とも呼ばれる立石。ハナショウブで知られる堀切。常磐線も通る水の街・綾瀬。荒川東岸に広がる縦に長いこのエリアはともに昭和情緒を残しつつ、それぞれ個性の強い下町です。

 そんな下町の中でも、改めて「立石」のおおまかな街の概要を紹介したいと思います。じつは京成立石駅から半径200mくらいのエリアで、立石の魅力は十分味わえます(この見どころがコンパクトにまとまっているところも立石の魅力の一つかも)。大きく分けて、駅北側=呑んべ横丁、駅南側=仲見世、が主な見どころになります。

 まずは、駅北側エリア。8月を過ぎると工事も本格化してくるらしいので、その前にぜひ歩いておきたいところです。まず駅を下りてアーケードのない駅通り商店街を北へ歩くと、右手に『鳥房』があります。ここは鶏の半身揚げが名物の人気店。

 この店の角を右に曲がって「呑んべ横丁」へ。有名な看板をくぐると横丁。横丁は2筋あるので、探険気分で歩いてみて。本誌には大図解したイラストマップも掲載しているので、ぜひ参考にしてください(呑んべ横丁には本誌でも紹介している酒場も数軒あります)。

『鳥房』の角を曲がると見える「呑んべ横丁」の看板。くぐるだけで気分が盛り上がる
「呑んべ横丁」内から線路側を見た風景。昼もなお暗い。夜の酒場風情も渋い

 そして、横丁の東の外れには外観から風情がある『江戸っ子』があります。ここは琥珀色の焼酎ハイボール(通称:ボール)が名物。このボールを飲みながらのもつ焼きは最高です。ただし『江戸っ子』は立石三大もつ焼き(ほか『宇ち多゛』と『もつ焼ミツワ』)のひとつで人気店なので、寄る場合は行列覚悟で。

『江戸っ子』は看板にも「立石の関所」とあるように寄らずにはいられない魅力がある

 続いて駅南側エリア。こちらはなんといっても「仲見世」ですが、その前に立石一丁目児童遊園へ寄ってみてください。なんとここには「大空翼」の銅像があります。

立石一丁目児童遊園には大空翼像が。ヒールリフト、よくマネしたなー

 翼くんといえば『キャプテン翼』ですが、今年の4月からアニメ放送が始まり、再び注目されていますね。キャプテン翼の舞台は静岡県南葛市(架空)ですが、原作者の高橋陽一氏は四つ木出身で立石の南葛飾高校出身。立石はキャプテン翼ゆかりの地でもあるのです。そんな立石の密かな名所を巡ったら、呑んべ横丁に並ぶ立石の名所「立石仲見世」へ。

 児童公園から一度、奥戸街道まで行って南側入り口から仲見世に入りましょう。長いアーケードを歩くと、甘味喫茶の『松廼屋』や夜は本格コーヒーも楽しめる『舟和』もあります。そして『おでん丸忠』へ。ここは酎ハイ以外にもワインやシングルモルトもあるので、いろんな楽しみ方ができる店です。隣の丸忠蒲鉾店で作っているおでん(トマトは絶品!)とともに燗酒もいいですね。ここから駅寄りにはもつ焼きの名店『宇ち多゛』と立ち食い寿司の『栄寿司』、『もつ焼ミツワ』があります。どの店も人気店で行列必至ですが、ぜひ寄ってみたい名店揃いです。

「立石仲見世」の奥戸通り側入り口。奥戸せんべいが目印
ここから駅までアーケードが続く。呑んべ横丁よりも明るい雰囲気

 と、ここまでが立石の名店を含めた、おおまかなエリア案内。このほかにも駅南側には老舗に並ぶ人気酒場『二毛作』がありますし、駅北側には『ABURI』や『餃子の店 蘭州』の一角があります。

 ほかにも誌面では、立石・堀切・綾瀬エリアの情報がたっぷり。このエリアならではの酒場や喫茶店、グルメ情報のほかに、「立石に“おもちゃの街”の面影を探して」「漫画家・つげ忠男が語る1950年代の立石」「再開発で変わるもの、変わらないもの」「プロジェクト松特別編 堀切の味を買い歩き」「くるりの『東京』が生まれたスタジオが綾瀬にあった!」「個性強すぎるラーメン街道行脚」などなど、企画ページも盛りだくさん。立石・堀切・綾瀬にゆかりのある人も、新たに興味を持った人も、どうぞ一度、本誌を手に取ってみてください。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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