「令和」初の街歩きは神田・神保町・日本橋で! “おいしいラーメン”も目白押しの『散歩の達人』
公開日:2019/4/23
こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。
いよいよ5月1日から「令和」が始まりますね。新しい時代の幕開けです。そんな時期だからこそ、“東京のホントの真ん真ん中”を歩いてみませんか? 今月号の散歩の達人は「神田・神保町・日本橋」の大特集。気鋭の講談師・神田松之丞さんが表紙を飾り、昔からの東京の真ん真ん中を紹介しています。街が形成されて以来、絶えず変化の渦中にあった神田や日本橋は、改元や東京オリンピックに向けた再開発など何処吹く風といった趣。江戸時代に大規模な開削や埋め立てが行われ、交通、商業、文化の中心地として発展。時代が移り変わる中、震災や戦災で何度も風景を失いながらそのたびに復活を遂げ、今もにぎわいは続きます。街を歩けば、きっと分厚い歴史の層に圧倒されるはずです。
そして、今年は日本三大祭りの一つにも数えられる神田祭が2年に一度の本祭り。いよいよ5月9~15日に開催されます。祭りの内容は誌面でしっかり紹介しているほか、祭り以外での神田明神でのご祈祷までご案内。開運体質になる方法?までご教示しています。
今回は神田・神保町・日本橋の中でも、ちょっとマニアックな視点で2つ取り上げたいと思います。
まずひとつは「神田駅」。ターミナル駅である秋葉原駅と東京駅に挟まれ、イマイチ地味な印象もある神田駅ですが、今年3月で開業100周年を迎えました。神田駅が誕生した頃、東京の中心は日本橋でしたから、日本橋地区の玄関口ということで、神田駅は事実上、東京の中心地になったと地域住民に喜ばれ、盛大な祝賀会も開かれたとのことです。誌面では、開業当時の駅構内の写真を掲載していますが、白タイルで化粧されたとてもモダンな造りでした。
さて、この神田駅、じつは駅周辺を見て回ると興味深いところがいくつもあります。それは開業した大正8年(1919)の頃を彷彿とさせる建造物が残っているところ。そのことがよくわかるのが、まずは神田駅東口を出た高架橋。ここには大正、昭和、平成にできた橋脚を一度に見ることができるのです。
写真の奥側にある橋脚の穴を×がふさいでいるものが大正の開業時のもので、手前の橋脚に丸い穴が開いているものが昭和にできたものだそうです。ちなみに写真には写っていませんが、さらにその手前に平成の橋脚があります。ただ、大正・昭和とは違って中央通りに平成の橋脚は立っておらず、道を挟んで橋脚が立っているのみです。
そして東口を出てすぐ左を見ると、写真のようにレンガで化粧された壁が続き、その中に広告板が見えます。現在は「神田駅百年」のパネルを展示していますが、ここが大正時代からあった広告版。誌面ではかつての写真も掲載しているので、ぜひ見比べてみてください。さらに高架を抜けたところには、関東大震災で焼けたレンガも見られます。当時最先端の土木技術で作られた神田駅でしたが、大震災では逃げ込んだ避難民200人以上が焼死してしまう大火災に見舞われてしまいます。悲しい歴史ですが、その歴史をまざまざと見せてくれるレンガ塀です。
さて、神田駅と合わせて、もうひとつ紹介したいのが「ラーメン」。神田・神保町といえば、カレーが有名ですが(もちろん誌面ではしっかり紹介しています)、ラーメンも侮れません。とくに、40代以上の大人におすすめの、心身にやさしいラーメンが粒ぞろいなのです。誌面に掲載している中で紹介したいのが『神保町 黒須』。ここのラーメンは塩、醤油、煮干がありますが、土屋がおすすめしたいのが煮干。魚のクセがくどくなく、あっさりしつつコクのあるスープは、何度も通いたくなる味です。会社に近くてよかったとうれしくなった店でした。ここのラーメンは誌面にもあるように、統括編集長は「塩」、若手編集部員は「醤油」と意見が分かれました。それぞれおいしいので、ぜひすべてお試しあれ(ちなみに替え玉もできます)。ほかにもおいしいラーメンが誌面には目白押しです。
さて、特集では、神田・神保町・日本橋エリアだからこその企画がずらり。表紙を飾っている神田松之丞さんのインタビューをはじめ、作家・北村薫さんにも登場していただいた「神田古書店街を巡る楽しみ」「神田喫茶クラシック」「神田紳士に出会いたい!」「バ日本橋がほんとに空を取り戻す日」「百貨店マニア的 日本橋髙島屋の歩き方」などなど盛りだくさんです。
時代が変わる今こそ、東京真ん真ん中の散歩を楽しんでみませんか? そしてそんな情報が満載の本誌を、どうぞ一度、手に取ってみてください。
土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。
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