「さよならだけが人生だ。」『コロコロ』編集長のうんちん日記【最終回】
公開日:2019/7/25
いったい今年は夏がやってくるのでしょうか?
毎日しとしと雨、雨、雨。
ハッキリしない日が続きますねえ。
みなさまも体調崩されていませんか、ボクはノドが痛くてイマイチ冴えません。
例年であれば、いよいよ夏のイベント「コロツアー」が始まる頃、訪れる各所の行ってみたい居酒屋を探すのにてんやわんやなのですが、今年はちょっと趣が変わりました。
このたび7月11日付けで『コロコロコミック』の編集長を交代しました。
4年間の在任期間中およそ2年間、こちらのコラムも務めさせていただきました。
大変楽しく、良い経験となりました。
今回が最後になりますが、特に力は入らず、とりとめのない話しを・・・、どうぞ!
花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ
唐の時代に詠まれた漢詩「勧酒」を井伏鱒二が訳した一文が、高校生の時に読んだ寺山修司の『ポケットに名言を』に収められていました。
花発多風雨 人生足別離
:花が咲いても雨や風で散ってしまうわけで、だから人生にも別れがつきものなんだよ
だいたいこんな感じでしょうか。
人生足別離
すごい字面、すごい言葉の力を感じますね。
井伏先生はこれを「さよならだけが人生だ」と訳しました。
シビれます!
楽しいことも辛いこともいろいろあるけど、どんなことにも終わりはあるモノで、そんなときに感じる言葉では表せない何かを、できれば心地良く抱えながら、爽やかに
さよならしていくんだなオレの人生と、18歳の自分はなんとなく思ったのでした。
大好きな映画監督の川島雄三もこの言葉を座右の銘にしていると知り、ボクはますますこの言葉を深く胸に刻みました。
それ以来、いつも何かの節目にはこの言葉を想い出します。
「サヨナラダケガジンセイ、サヨナラダケガジンセイ…」
あとどれくらい、さよならしてくのでしょうか、この人生。
47歳。
明るいミライの話をできればし続けたいものです。
そう言えば、フリッパーズギターにも「すべての言葉はさようなら」という歌がありましたね。
他の雑誌の編集長をしたことがないのでよくわかりませんが、『コロコロコミック』はコンセプトのハッキリした雑誌なので、編集長ごとの色は存分に出しつつも、基本的には42年変わらず続けてきた「小学生男児に熱狂を」という先輩達から受け継がれてきたバトンを、無事に次代に繋ぐこととなります。
この綿々たる伝統を守り続ける限り、必ずや『コロコロコミック』からまた新たなムーブメントは生まれます!
紙の本が売れない、雑誌が売れないなんてちゃんちゃらおかしいです。
ボクらの読者が今読みたいモノは何なのか?
ほしい付録は何なのか?
それだけを愚直に考え続ければいいのです。
正直今は肩の荷が下りて、力が抜けました。
常日頃から自然体でと心がけていましたが、こんなにも力が入っていたのかと、実感している毎日です。
100万部創った本が飛ぶように売れたり、販売中止早期返品という事態を招き、たくさんの方にご心配、ご迷惑をかけてしまったり・・・。
タフで濃密な4年間でした。
同時に希有な体験をさせていただけたとも思います。
お世話になったすべての方にお礼を言いたいです。
いつも支えてくれた家族にも。
そして編集部のみんな。最初から最後までわがままに付き合ってもらってありがとう。
でもね、編集長は思ったことを貫くのが仕事です。
編集長になりたい人もなりたくない人もいると思うけど、なった時には思う存分に編集長を楽しんでください!
そして日本中の編集長の皆さん、応援しています!
あなたの創る雑誌が、あなたの思う読者にまっすぐに届きますように!
新しいミッションがあります。
また成功させて、みんなの笑顔が見たいです。
そのために、まずは心の筆箱から鉛筆を取り出して、削り始めようと思います。
残念ながら新品の長いモノではなく、だいぶちびたモノですが、それでも削ればまだまだ使えるはずです。
だからとりあえず、削り始めます。
ありがとうございました!
コロコロコミックは続きますが、ボクからは最後の今月の暗号です。
「黄金Theジョラゴン・ガンマスター10000人プレゼント」と叫んでみてください。
「はがきには対象商品のバーコードを2枚貼らないと応募できないよ!」と、優しくリアクションしてくれる少年がいるかもしれません。
ラジオ体操のカードを首からぶら下げて(まだあるのかなあのカード)、汗だくになりながらコロコロを読んでいる子を見かけたら(それは40年前の僕です)、どうか暖かい目で見守ってください。
それではまた会う日まで、うんこちんちん!
『コロコロコミック』最新号発売中!