おじさんも楽しめる「お茶とあんこ」『散歩の達人』編集長コラム

エンタメ

2019/11/22

『散歩の達人』11月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。

 12月号の大特集は「お茶とあんこ」。ここ数年、様々な産地・作り手・品種でお茶の楽しみ方を提案する専門店やティースタンドが続々と登場し、「お茶」の奥深さに触れる機会が格段に増えています。

 また、“和”のイメージが強かった「あんこ」も、多彩な食材との掛け合わせで新たな味が生み出され、おはぎや大福など、おなじみのおやつに創意工夫を凝らす専門店も目立つようになりました。

 一方、そうした新しい風を受けて、昔ながらの街のお茶屋さんや甘味処も再注目されています。本特集ではそんな目覚ましい広がりを見せ、進化し続ける「お茶とあんこ」の世界をご案内しています。

 今回の表紙には、女優の松本穂香さんに登場していただきました。主演映画の舞台でもある立石の甘味処でおいしそうにお茶とあんこを食べてもらっています。誌面でも松本さんの和菓子への思いなどをインタビューしていますので、お楽しみに。

 今回のコラムでは、個人的な思いも込めて「おじさんが楽しめるお茶とあんこ」をテーマにして2つの記事をご案内。まずは「お茶」、それもティースタンドに注目した記事です。

 ティースタンドといえば、昨年からすごいブームで女子高生たちが並んで買っているタピオカティーを想像される人も多いと思いますが、それだけではありません。フルーツティーやチーズティーなどのアレンジティーやフレーバーティー、茶葉にこだわった店など東京には多彩なティースタンドが次々にオープンしています。

 ただそれらの店はどれもおしゃれ。いつも大衆酒場や食堂などを主に紹介している散歩の達人だけに、それらおしゃれな店に尻込みしていましたが、今回はそんなティースタンドでおじさんが楽しめるのか、というテーマで記事を作っています。

表参道『COMEBUYTEA』のカスタマイズティー「クリエイティー」のトップ5。左が一番人気のローステッドウーロンティー+エバミルク+タロイモボール。

 表参道に2019年9月にオープンした『COMEBUYTEA(カムバイティー)』は台湾発のティー専門店。厳選のストレートティーを楽しむ「クオリティー」と好みのカスタマイズを楽しむ「クリエイティー」という2本柱で台湾茶の深い世界に触れることができます。

 とくに「クリエイティー」はジャスミングリーンティー、ローステッドウーロンティーなどのベースのお茶に、ミルクやパイナップルジュースなどのドリンクをブレンド、さらにタロイモボール、黒糖こんにゃくゼリーなどをトッピングするため、メニュー数は300通り以上とか。

 私も行ってみたのですが、ホテルのラウンジのような高級感のある空間は、女子というよりは大人向けの空間。カウンターに並び蒸気を上げるティープレッソマシンがかっこよくて、むしろ機械好きのおじさんは目を奪われるはずです。

 肝心のお茶は、カスタマイズがあまりに自由度が高すぎて、迷いまくっていたのですが、「おじさん向け企画ならそれに合うものを……」とティーバーテンダーの女性が作ってくれました(誌面ではそれを紹介しています)。

『COMEBUYTEA』のカウンターにひときわ目立つティープレッソマシン。奥には厳選された茶葉が並ぶ。
北参道『八屋』の炭酸冷茶。お茶に炭酸ガスを抽出するので、香りや味が薄まらず、炭酸も長時間持ちこたえるそう。

 北参道の『八屋 千駄ヶ谷店』は真っ白な外観がおしゃれなティースタンド。千駄ヶ谷店はオフィス街にあるので、サラリーマンの利用が多く、男性利用率も高いとのこと。それを聞いて、私も気後れせずに入ることができました。

 ここでは気になっていた「炭酸冷茶」を注文。このドリンクはお茶を炭酸で割っているのではなく、お茶自体に直接炭酸を注入するので、お茶の旨味や香りはそのままに、シュワっとした清涼感を感じる不思議な飲み物。リフレッシュしたいときにはぜひ試してほしい一品でした。

 この2店のほかにも生ビールのようなお茶(=ドラフトティー)が飲める鎌倉の『CHABAKKA TEA PARKS(チャバッカティーパークス)』や、お茶割りも絶品な代官山の『TEA BUCKS(ティーバックス)』も一見おしゃれで入りにくいですが、それぞれのこだわりは男子こそが興味深く感じるはず。ぜひおじさんも行ってほしい4軒でした。

「あんこおやじ企画」でトッピングしてみた食材を並べてみました。こちら試食会後は参加者全員で持ち帰ってすべていただきました。

 続いては「あんこ」。頑固おやじならぬ「あんこおやじ」ということで、あんこ好きライター高野氏、WEBメディア「さんたつ」編集長の武田、そして私のおじさん3人で「あんこに合う意外な食材はあるのか」をテーマに試食会&激論をした記事「あんこおやじ、本気のトッピング会議」です。

 じつはこの企画の発端は、老舗甘味処や和菓子屋さんでは、あんこだけ買うこともできるから、それを使ってアレンジレシピを提案しよう、という企画だったのですが、議論? が盛り上がって、レシピづくりまではたどり着きませんでした。

 試食会当日は、あんこおやじ企画にもかかわらず、本誌編集部の女子3人も参戦。「マスカルポーネやクリームチーズは?」「そばやお寿司に合わせてみるのは?」「キノワ(南米の食材)や甘酒には合うのか?」などと勝手なことを言いながら、試食会を盛り上げてくれました。意外にこんなものに合う! という発見もあり、合いそうだけど絶対NGというものもあり……、あんこは奥深いと心の底から実感した試食会、詳しくは誌面をご覧ください。

 さて、大特集では、ほかにも「お茶とあんこ」にまつわる企画がずらり。今の東京お茶とあんこシーンを彩る「芳醇なるお茶の世界」「あたらしいあんこのおやつ」を皮切りに、日本橋・西荻窪・浅草という3つの街を紹介した「お茶とあんこの街」、作家・森下典子さんにインタビューした「お茶を通して、季節を愛でる」や、「街のお茶屋さんがすごいのだ」「お茶割の深~い世界」「うっとりする東京あんみつ5選」「驚きの北関東あんこ文化」などなど、盛りだくさんです。

東急世田谷線特集内の「世田谷線デジカメさんぽ」では、豪徳寺など沿線を撮影しながら歩きました。写真は招福堂の灯籠の中にあったかわいい招き猫。

 そして第2特集は、今年で開業50周年を迎えた「東急世田谷線さんぽ」。個性的な個人商店が増えて注目されている松陰神社前をはじめ、沿線の気になるスポットを、沿線を実際に歩いて探索しました。下高井戸から三軒茶屋まで5㎞には世田谷らしい住宅地にひそむユニークなお店やスポットがたくさん。厳選した酒場案内やいよいよ12月15・16日、来年1月15・16日に開催されるボロ市の情報もあり、見逃せない特集になっています。

 だんだん寒くなり、温かいお茶やお菓子が恋しくなる季節。この機会に、ぜひ「お茶とあんこ」をテーマの散歩はいかがですか? そしてそんな情報が満載の本誌を、どうぞ一度、手に取ってみてください。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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