スポーツの聖地・国立競技場と神宮球場の見どころ!『散歩の達人』が注目する最上階の「空の杜」とは?

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2019/12/24

『散歩の達人』1月号(交通新聞社)

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。

 ようやく2019年12月21日に新国立競技場一般お披露目のオープニングイベントが行われ、そして2020年1月1日には初めてのスポーツイベント、サッカーの天皇杯が開催。我が国を代表するスタジアム「国立競技場」がいよいよ始動ですね! 私もわくわくしているところです。

『散歩の達人』1月号の大特集はこの新国立競技場もエリアに入る「明治神宮と神宮外苑」。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催、明治神宮創建100年で注目が高まっているこのエリア。広大な敷地に神苑や公園、競技場などの巨大空間が広がり、その隙間に原宿、青山、表参道といった昭和の時代から東京のカルチャーを牽引してきた街々が連なる、不思議なコントラストのある空間です。

 本特集では100年の間、時代に翻弄されてきた歴史を辿りつつ、さらなる変革の途上にあるこの街の「今」をご案内しています。

 今月号の表紙に見覚えはないでしょうか? 12月15日で最終回を迎えた2019年度の大河ドラマ『いだてん』のオープニングにも使われた、山口晃さんの絵画を使用させていただきました。いろんな時代が細部まで描き込まれ、詰め込まれたこの絵はじっくり見ているだけで時間を忘れてしまいます。この絵画についての作者・山口さんのインタビュー、そして絵画の全体像も誌面で紹介していますのでお見逃しなく。

 新国立競技場は完成が2019年11月30日で、報道公開も12月15日だったため、残念ながら1月号の誌面では紹介しきれなかったのですが、今回のコラムでは、実際に行ってわかった新国立競技場の見どころと、その隣に佇む「神宮球場」の知る人ぞ知るスポットなどについてご紹介しましょう。

 新国立競技場では、まずは観客席。1階が20度、2階が29度、3階が34度の角度で配置されているそうで、フィールドから見るとそそり立って見えます。国内外では2階席が35度以上の急角度のスタジアムもありますが、神宮外苑の景観になじむように、建築家の隈研吾氏がなるべく高さを低くしたということで、かなり計算されたぎりぎりの角度なのだということがわかります。この制限の中でこれだけのフィールドとの距離感の近さを演出したのはすごいです。

JR千駄ケ谷駅から国立競技場への通路から撮影。ライトアップされたスタジアムが漆黒の闇に浮かび上がる。(編集部・町田紗季子撮影)

2019年12月21日の一般お披露目イベントに参加。3階席から満員のスタンドを望む。(編集部・町田紗季子撮影)

 そして東京の夏の暑さ対策はかなり考えられていて、観客席の最前列の10mほど前まで屋根が覆っていて、観客席の大半が日陰になるほか、外から風を取り込み、熱気を排出する構造になっています。ただし、取材時もそうでしたが冬場は本当に寒く、スタジアムとして寒さ対策が完璧にできていないのが残念なところ。元日のサッカー天皇杯決勝を観戦予定の方は、防寒の用意をお忘れなく。

 そして散歩の達人として注目したいのが最上階5階。スタジアムを一周する回廊「空の杜」があるのですが、ここがなかなかの散策スポット。桜やモミジなど100種以上の植物が植えられているうえ、東京の街を見下ろすことができます。都心に小さな山ができた感じで、遠くに夕焼けの富士山もきれいに見えました。1周徒歩10分ほどの「空の杜」はオリンピック後には無料で自由に出入りできるそうで、きっと東京の新名所になるはずです。

 もうひとつ紹介したいのが「神宮球場」。神宮球場といえば、ヤクルトスワローズの本拠地で、東京六大学野球・そして学生野球の聖地だということはご存じでしょうが、この歴史ある球場もオリンピック後に今の秩父宮ラグビー場あたりに移転予定で、現在の球場はなくなってしまうようです。本当に残念ですが、そんな神宮球場の見どころをいくつかご紹介。

大学野球の試合ならレモンサワーを飲みながら、のんびりと野球観戦が楽しめる。

 神宮球場は外からすごいのです。正面入り口のスタジアム通り沿いには、大正15年(1926)創建当時の石組みが、外野部分のアーケードは改修された昭和6年(1931)から変わらず残っています。アーケードの窓枠は絵画館と同じデザインということも特筆すべき点でしょう。

 球場に入ると、売店が並ぶ通路は、古いスタジアムだけあって狭いのですが、ここは選手も通る通路。選手がすぐそばを通ることもあるなんてファンと選手の距離が近くてうらやましい限りです。そして階段を上がって観客席。フィールドとの距離が近いので臨場感があり、周りに高い建物がなくて開放感も満点です。

 また、神宮観戦時のお供といえば、神宮名物「ウインナー盛り」。外野の売店が量も多いのでおすすめですが、ウインナー盛りと合わせてビールやレモンサワーなどを飲みながら野球観戦するのは最高です。とくに大学野球ならお客さんも少ないので、ゆったりと観戦でき、贅沢な時間を過ごせるはずです。

神宮球場外野外のアーケード部分。左にある窓枠のデザインが絵画館と一緒だという。

神宮球場正面入り口にある石組みこそが、大正15年(1926)の創建時の遺構なのだ。

 また、今回特別に通らせてもらったのが「荒木トンネル」。昭和57年(1982)夏の甲子園でアイドル的な人気となった荒木大輔さんがヤクルトに入団した後、ファンの混乱を避けるため、ヤクルトのクラブハウスと球場を結ぶ移動用地下道を作ったのですが、これが「荒木トンネル」と呼ばれ、今も選手が使用しているそう。

 入らせてもらうと、売店が並ぶ狭い通路を通らずに、直接グラウンドに出ることができ、感激ものでした。荒木トンネルは一般の方は通れないのですが、神宮球場のほかの見どころは誌面でしっかり掲載。来シーズンは私も神宮球場を満喫しようと思います。

ヤクルトスワローズクラブハウス側の「荒木トンネル」入り口。すぐに螺旋階段があり、下へ降りる。
荒木トンネルをくぐり、再度螺旋階段を上って球場へ。何人ものスターが歩いてきた道だ。

 さて、大特集では、ほかにも「明治神宮と神宮外苑」にまつわる企画がずらり。前述の国立競技場などを紹介した「この街にまたオリンピックがやってくる」を皮切りに、今年で100年を迎えた明治神宮を紹介する「100年の森、明治神宮を歩く」、人気の加藤一二三さんにインタビューした「ひふみんと将棋の街」や、「#ダガヤサンドウってなんだ?」「70s原宿ストリートヒストリー」「こだわり渋カフェ密集地帯」「おしゃれ地帯にひそむオアシス酒場」などなど、盛りだくさんです。

 そして第2特集は、2020年最初の寺社巡りに便利な「東京おもしろ御利益さんぽ」。都内からちょっとユニークな御利益のある寺社を選んで紹介しています。特別付録の「ステキな御利益 御朱印帖」とともにぜひご利用ください。

 令和初めての正月を迎えるこの季節、ぜひ「明治神宮と神宮外苑」、そして御利益を求めての寺社巡りの散歩はいかがですか? そしてそんな情報が満載の本誌を、どうぞ一度、手に取ってみてください。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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