自宅でも楽しめる“日本酒”特集なのです!『散歩の達人』編集長コラム

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公開日:2022/1/23

散歩の達人
『散歩の達人』2月号(交通新聞社)

 こんにちは。散歩の達人編集長の土屋です。

 年明けから新株で感染者数が激増。いよいよ東京・神奈川・千葉・埼玉もまん延防止等重点措置が適用されることになってしまいました。とはいえ、いくらなんでも弊誌2月号の発売日に合わせなくてもいいのに……。しかし、そんなこともあろうかと、今月号の散歩の達人の日本酒特集では、日本酒を楽しめる酒場の紹介だけでなく、自宅でも日本酒を楽しめるアイデアをたくさん盛り込んでおります。

 今や日本中どこにでもおいしい日本酒がある時代。今回、本誌が目指したのは、現在の日本酒シーンにおける東京を、いろんな角度からのぞいてみること。すると見えてきたのは、自由な発想と形態で日本酒を楽しむ、一大消費地としての姿。日本各地の銘酒を、世界へと届ける発信地としての姿。さらには、新しい醸造スタイルを確立する、最先端の産地としての姿も。そんな世界一の酒どころ“TOKYO”の最新事情をご案内しています。

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 特集内には東京で日本酒を楽しむアイデアが満載なのですが、先に述べたように自宅で日本酒を楽しむ方法もたくさん盛り込んでいます。今回はその企画をいくつかご紹介。

 まずは「カップ酒」。目でも楽しめる、ジャケ買いならぬ“パケ買い(パッケージ買い)”したくなるカップ酒を独断と偏見のカテゴリー別にずらりと紹介しています。さらにいろんなカップ酒を紹介するだけでなく、カップ酒の容器をビーカー代わりに、野菜ジュースやジンジャーエールやカルピス、さらにはカレー粉やソースまで、日本酒に合う割り材を探しまくったり(ちゃんと当たりの紹介もありますのでご安心を)、カップ酒の容器を使ったアレンジレシピも紹介しています。容器アレンジレシピは、茶わん蒸しやパンナコッタなど、お酒が苦手な人も必見なレシピぞろいです。

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誌面には編集部とライターで選んだカップ酒がずらり。きっとほしくなるカップがあるはずだ。

 続いては、寒~い今の時季におすすめの、燗酒を自宅で楽しむ方法。燗酒はお酒ごとに適温があったり、奥深い複雑な世界なのですが、今回誌面で紹介しているのは「テキトー燗でもおいしい日本酒8選」。強い酒質のお酒だと、温度などあまり気にせず、テキトーに燗をつけても十分おいしく楽しめるそうなのです。それぞれ問い合わせも掲載しているので、取り寄せもぜひご検討を。

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レンジでチンするなど、テキトーに燗をつけてもおいしい日本酒を、ライターの山内さんがセレクト。右から左に軽いものからしっかりとした味のものを並べています。

 さらには日本酒を使ったおつまみレシピもご紹介。実際に飲む日本酒を贅沢に使うと、超簡単でも本格的な味になるのです。実際に私もレシピ通り作ってみましたが、簡単なわりに満足度の高いつまみばかり。特に「好きな具を自由に入れる日本酒おでん」は衝撃で、いつものおでんでは下茹でしていた大根も、このレシピならば一緒に茹でてしまっても大丈夫。日本酒の力で大根の独特の臭みもなくなっておいしく食べられました。そして「カキと昆布の日本酒蒸し」はカキと昆布の出汁がよく出て、汁もおつまみになります!

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おつまみづくりの途中。飲むためのおいしいお酒を使っています。もったいないと思うかもしれませんが、これがおいしさの秘訣(撮影=オカダタカオ)。

 ほかにも、今注目の日本酒を買えるおすすめの酒販店の紹介や、アンテナショップで聞いた、おすすめ地酒とそれに合う地元のおつまみ案内。さらに、「“燗酒は万能”を証明します。」のページはお店紹介ではありますが、燗酒に合う意外なつまみも知れるので、自宅飲みで活用できること請け合いです。

 さて、今号の大特集にはほかにも様々な企画がずらり。今の東京の日本酒シーンがよくわかる「TOKYO SAKE SNAP」をはじめ、「旨い酒と肴が揃う 新・名酒場案内」「気軽に一杯! ネオ日本酒酒場」「甘味と合わせる口福」「TOKYOどぶろくカルチャー最前線」「関東・名酒が生まれる地を巡る」などなど盛りだくさんにご紹介。

 もうひとつの特集は、今年10周年を迎えた東京スカイツリーのお膝元「向島・曳舟・押上」特集。このエリアは路地自体が面白いので「“路地観察”が楽しすぎる!」と題し、「路上園芸」「ドンツキ」「多叉路」をじっくり案内しているほか、「キラキラ橘商店街のキラキラ事情」「向島下町酒場、今こそ行きたい3軒」などのラインナップ。さらには写真家の中里和人による「風景ダイアローグ 私と向島の22年」も必見です。

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日本酒特集では「関東・名酒が生まれる地を巡る」も。埼玉県・千葉県・神奈川県から見学できる蔵を紹介しつつ、それが飲める近くの店や立ち寄りスポットを掲載。(撮影=加藤熊三)

 残念ながらまだ予断を許さない状況ですが、今月も密を避けつつ、街や自宅で日本酒を、そして向島さんぽを楽しんでいただけるとうれしいです。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年埼玉県生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

『散歩の達人』最新号は1月21日(金)発売!