ゴールデンウィークは都電さんぽはいかが?『散歩の達人』編集長おすすめの撮影ポイントを紹介!

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公開日:2022/4/23

散歩の達人
散歩の達人』5月号(交通新聞社)

 こんにちは。散歩の達人編集長の土屋です。

 春が来たと思ったら気温20度超えの日が続き、もう初夏ですね。ゴールデンウィーク前にお届けする5月号は「都電荒川線さんぽ」と「街には笑いが必要だ!」の2大特集。

 都電荒川線といえば、創刊以来、弊誌ではおなじみの路線でしたが、じつはしばらく特集しておらず、なんと14年ぶりの大特集。都電荒川線(愛称:東京さくらトラム)は東京唯一の路面電車で、三ノ輪橋から早稲田まで全30 停留場、全長12.2㎞を約1時間かけてつないでいます。沿線を歩けば、古きよき商店街でお総菜を買い込む人あり、公園でピクニックする親子あり、と穏やかな日常にほっこり。それは荒川線に乗車しても同様で、バリアフリーで街と隔たりが少なく、また一両ゆえの人との近さや譲り合いの気持ちが、進化が続く東京にあってなんだか心地よいのです。どの停留場で降りても自然体で楽しめる、とっておきの“散歩電車”をご案内しています。

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 近年、沿線一帯は再開発が進み、新たなスポットも続々登場中ですが、なぜ14年ぶりに特集したかというと、この春、4月21日の『あらかわ遊園』リニューアルオープン! うれしいことに弊誌5月号の発売日と同日オープンということで、ひと足先に現地取材し、見どころも誌面で紹介しています。

 たとえば、観覧車には4つのスケルトンゴンドラが登場、豆汽車もカッコいいアメリカの機関車がモデルに生まれ変わっています。さらには「ウォーターシューティングライド」「わくわくハウス」も新登場。もちろん“日本一遅い”ジェットコースター「ファミリーコースター」も健在。乗り物を乗り倒してもいいし、釣り堀や「どうぶつ広場」でのんびり過ごすのもいい、誰もが楽しめる遊園地としてさらなる進化を果たしています。詳しくは誌面をご覧ください。

 さて、今回このコラムでは、鉄道としても魅力的な、都電荒川線を撮影するならここ、というポイントをご紹介。おすすめは2つ。

 まず一つは都電荒川線の唯一の路面電車区間、王子駅前~飛鳥山間。王子駅前から坂を上って来て、飛鳥山を大きく回り込むカーブは荒川線に乗っていても楽しい区間。明治通りを渡るとすぐに専用軌道に入ってしまうので、それまでの短いお楽しみ的な路面区間です。ただ、バスをはじめ、いろんな車が来るので、こだわりすぎると撮影は難しいかも。あまり気負わずに、王子散歩のついでにぜひどうぞ。

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都電荒川線が唯一路面電車として走る区間、王子駅前~飛鳥山。(撮影=オカダタカオ)

 もう一つのおすすめ区間は、鬼子母神前~学習院下(~面影橋)。ここは飛鳥山近辺以上に高低差が大きい区間。周辺には「のぞき坂」とか「富士見坂」といった急坂ぞろい。荒川線もそんな高低差のある区間を走ります。学習院下停留場付近(少し面影橋寄りがいい)から池袋方面を見れば、その坂を滑り降りてくるような小さな電車を撮影することができます。さらに鬼子母神前方面にある千登世橋からは真上から荒川線が通るのを撮影することができます。さまざまな都電の表情を撮影できるおすすめスポットです。

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撮影ポイントが多い、鬼子母神前~学習院下~面影橋間。この写真は学習院下~面影橋間で撮影。ラッキーなことに「都電落語会号」が学習院下停留場に停車中。

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鬼子母神前~学習院下近くには有名な富士見坂も!このあたりの勾配差がよくわかる風景。

 王子駅前~三ノ輪橋だと、5月号の表紙写真を撮影した、荒川線と京成線が立体交差している様子を撮影できる、町屋駅前~荒川七丁目もいいですね。荒川線に乗っていれば、ここで撮影したい!と思える風景に出合うはず。荒川線はすぐに来るので、気軽に途中下車して撮影散歩を楽しむのもオツですよ。

 という感じで、都電荒川線のおすすめ撮影スポットを少しだけ紹介しましたが、今号の大特集には、様々な企画がずらり。目玉企画は「俳優 安藤玉恵を育んだ西尾久の街」。昨年のドラマ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK)で、妹の木村美穂役を演じて話題を集めた安藤玉恵さんのご実家がなんと宮ノ前停車場近くのとんかつ店『どん平』!(都電荒川線車内で見る広告でもおなじみですね) ということで、『どん平』はじめ、安藤さんゆかりのスポットを西尾久近辺から大紹介。なんと安藤さんが小さい頃に遊んでいた遊具の残る公園や、自らが描いた絵が残っている公園もあるのです。貴重なインタビューとともに誌面でお楽しみください。

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『どん平』のとんかつはほかの店と全く違う味わい。デミグラスソースで食べます。

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宮ノ前停留場のすぐ目の前にあるのが尾久八幡神社。鳥居越しの荒川線もいい感じ。

 特集ではほかにも沿線グルメ情報や個性派喫茶、酒場案内はもちろん、「ジョイフル三ノ輪は名ロケ地!」「『都電落語会』を知ってますか?」「愛燦々、バラ色の季節へ!」「小さな商店街さんぽ」「沿線気になる建築ウォッチング」「都電沿線文学ジャーニー」などなど盛りだくさんにご紹介。

 もうひとつの特集「街には笑いが必要だ!」も見逃せません!  まず高田文夫先生に聞いた「大衆演芸との出合い方」インタビューから始まり、「いま注目の芸人に会いたい!」では、桂宮治、金属バット、ヨネダ2000という3人(組)の特別インタビューをがずらり。そのほか「『東京都住みます芸人』って、ナニやってるの?」「イチオシ最新演芸場はここだ!」「ニューノーマル時代の寄席の覚悟」と並ぶ企画で、今だからこその笑いにまつわる大特集をお届けします。

 ようやく出かけやすくなったこのゴールデンウィークはきっと遠出する人が多いはず。だからこそ、都電荒川線沿線や、都内の演芸場は穴場でおすすめです。ぜひ本誌を参考に楽しんでいただけるとうれしいです。

土屋広道(つちやひろみち)
1972年埼玉県生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

『散歩の達人』最新号は 4月21日(木)発売!