特集番外編１　2007年12月号

特集番外編1『リアル』

編集Ｎ

こんにちは。今回の第一特集は、井上雄彦さんの大ヒット作品『リアル』の特集です。

車イスバスケを題材に、若者たちの不安や強さを描いたこの作品の魅力を十分に紹介するために、さまざまな角度からアプローチを試みました。

井上さんのインタビューはもちろんのこと、一青窈さんに『リアル』のイメージを詩で表現していただいたり、人気マンガ家４人にトリビュートイラストを描いていただいたり、元Ｊリーガーの車イスバスケプレイヤーにお話を聞いたり。

さらにはスポーツとしての車イスバスケのガイドや、読者からの共感コメント、『リアル』好きのための“次の一冊”ブックガイドなども盛り込みました。

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インタビューの際に「強さ」について語る井上さんの姿が印象的でした。
限られたヒーローだけが持っているのではない、本当の「強さ」について井上さんが語るとき、野宮やヤマの姿が脳裏に浮かんできて、ああ、この人が『リアル』を描いているんだなあと強く思いました。

私は井上さんにお会いするのは初めてだったのですが、その語りといい所作といい、井上さんの静かな貫禄にただただ圧倒されました。

特に、「エゴの強さとは、自分が何者であるかという表明」と仰られたことにハッとさせられました。
エゴの強さを深いところで理解し肯定する、人間としての大きさのようなものを感じ、多くの人の心を動かす作品を生み出す人というのはこういう人なのかと、深い感銘を受けました。

……まあ、今言ったようなことは私個人が感じたことに過ぎないのですが、皆さんにもぜひ今回の記事を読んで、何か心に触れるものを感じ取っていただけたらと思います。

今月末の７巻発売を前に、この特集でこれまでの『リアル』を振り返り、いよいよ盛り上がっていく『リアル』の世界を存分に堪能してください！