【ダ・ヴィンチ2014年11月号】「大人になるためのムーミン」特集番外編

特集番外編1

更新日:2014/10/6

【ダ・ヴィンチ2014年11月号】「大人になるためのムーミン」特集番外編

大人にこそ読んでほしい!ムーミン特集

編集H

トーベ・ヤンソン生誕100周年の今年、ムーミンが非常に盛り上がっている!
ということで、ムーミン特集を企画することに。

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ムーミンといえば、原作、ムーミンコミックス、アニメにキャラクターグッズと
たくさんあるが、ダ・ヴィンチの読者の皆さんは特にアニメやキャラクターの
カラーの絵の印象のほうが強いのではないでしょうか。
でも、原作の線画は繊細でソリッドで表現力豊かでそれはそれは素晴らしいのです!
そこで今回の特集は、あえて原作しばり、モノクロ原画しばりで作りました。
ぜひ、みなさんにはモノクロ原画のムーミンを堪能していただきたいです。

トーベの姪、ソフィア・ヤンソンさんのインタビューでは、トーベが北斎の浮世絵に
影響を受けていて、日本の美術が大好きだったというお話が大変印象的でした。
そういわれてみると、ムーミンの世界観て、水木しげるさんにも通じるかも。
ムーミンが生まれたフィンランドは、海や山、自然に囲まれていて、そんなところも
日本と似ているように思います。

そのほか、トーベに実際に会ったことのある童話作家の角野栄子さんや、青い鳥文庫へのエッセイも書かれている森絵都さんのインタビューも必読です!

あと、面白かったのは「大人のムーミン座談会」。8人のムーミンファンが熱く語ってくれたのですが、それぞれに好きなキャラクターもエピソードも違うし、それぞれの立場でいろんなキャラクターにシンクロしていらっしゃるのも印象的でした。

子どもの頃から親しんでいたムーミンですが、大人になってあらためて
ムーミンを読み返すと、種族も違い、血縁関係もない者同士で、ゆるやかに共生
している彼らって、気ままにみえて、実はすごく“人間力”があるのでは?と思います。
以前は、私はスナフキンやミイに憧れたけど、いま読むとムーミンママの存在の
大きさと彼女の凄さを感じずにはいられませんし、地味に思えた主人公のムーミンが
意外に、男気あふれる恋多き男であることにも気づきます。

読めば読むほど、ムーミン世界の普遍的な哲学に魅了されます。
子どもの頃以来読んでいない、読んだことがないという“大人”の方こそ、
新たな気づきや発見があるはずなので、ぜひこの機会に手にとってみてください。

また、本特集内では、ムーミンシリーズのほかに、母国フィンランドでも
大ベストセラーとなったトーベ・ヤンソン評伝の決定版『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』や、トーベが大人向けに書いた小説も紹介しています。
どちらも素晴らしいので、こちらもぜひ。